浸透化/三村 文月
もうすぐ消える。それをプレゼントとして受け入れた姉と弟は、今はもう汚れた風の中。人が消えていく怪現象。自分も消えてしまうと知った弟が最期に望んだことは、禁じられた行為で、でも抑えがたい好意で。(なんで消えんねん!)とツッコミたいのはやまやまですが、そんなことよりも、登場人物の魅力にとりつかれました。深みのある本格的な小説です。ガツンと手応えのある作品を読みたい人にオススメです。