緋月
純度百%の感情
残された人達の気持ち、について、描かれていた現実はあまりにもリアルで、例えば行方知れずになっていた時間は、時空を歪めていた影響を受けて、誤差が生じているとか、そういうこともなくて。ただただ、哀しいまでの、喪失という現実がありました。
千鶴子ちゃんの正体(という書き方もどうかと思いますが……)も明かとなり、それに伴う哀しさや切なさが沸き起こるのも事実。ただ、現代を生きる家族たち(特に月子ちゃん)がしっかりと前を向いて、自分や現実を見据えて歩いていこう、生きていこうとする姿は、読んでいてとても格好良いです。