『…どうしよう、灯(アカリ)ちゃん…』


『…この問題がわかるようになったら、

 鈴ちゃんの事は僕が守ってあげますよ。』


『…うん?』


『9+4は?』


『……ちょっと待って、灯ちゃん、

 鈴の事バカにしてるの?』


『まさか。』


『それぐらいわかるよ、もう三年生だもん。

 答えは、13でしょ?』


『…違います。』



         9+4=13だと答えた私に、

            違うと言った君。


       あの日、夕暮れの公園で交わした約束を、

          君はまだ覚えていますか?