ずっと、一人だった。
あの大きな広いお屋敷のなかで。
ずっと、苦しかった。
誰にもわかってもらえない世界で生きるのが。
ずっと、怖かった。
自分は“特別”なのだということが、
怖くて仕方なかった。
とてつもなく哀しく深い世界から私を逃がしてくれたのは、
私よりずっと大きな傷を翼に負った、
優しい色の鳥でした。
笑顔の仮面のお嬢様と、
嘘に埋もれた王子さまの、
はかなく哀しい物語。