ボディへの攻撃は自分には絶対効かない。 三度の世界チャンピオンを防衛してきたセリナには自信があった。 あらゆる腹筋運動で鍛ええ挙げられた六つに割れた腹筋。何度となくヘビー級プロボクサーによるボディ打ちや、何度も自分の三倍くらいある相手に腹筋に力を入れない状態での腹踏み練習、痛みにも強くなっていた。 現に、彼女は普通の選手よりもガードが高く、顔の近くで構えるスタンスである。それだけ腹を打たれてもダメージを受けない自信があったのだ。しかし、その自信が脆くも崩れ落ちる時が来た。