さとみなおき

真っ白なこころに
札付きの乱暴者である男子高校生、政隆が、年齢性別不詳の白髪の子ども、ナギと出会います。


荒れた生活を送る政隆が、か弱いナギを守りたいと願い、そのために成長しようとする物語です。


不良には恵まれない家庭環境など不良になった理由があると考え、その理由の部分をドラマにしていく作品は時々見ますが、この作品はそういうものとは異なります。


政隆は激しやすい性分を人のせいにはせず、生まれ持ったものであると自覚し、それをコントロールする術を身につけていこうとするのです。


愛を知らずに育ったナギを理解しようとすることで、自分が愛に守られてきたことに気づき、愛しいものを守れる自分になろうと努力する政隆。


政隆を始めとする周囲の人々の愛情がナギを救い、救われたナギによって政隆も救われてゆく。


その二人の姿は微笑ましく、また感動的です。


お互いに相応しい自分になろうとする彼らのもとに本当の春が訪れたそのとき、白い妖精がどのような変化を遂げるのか。


どうかその目で確かめてみてください。