緑茶
魅せる。
to-ya様の物語は
“魅せる”お話で
読み終わった時に
暖かい気持ちになります。
それは希望とか安らぎとか
形容しがたいのですが
とても穏やかで、心地よい。
主人公政隆はヒロイン・ナギとの出会いによって、己の境遇を理解し、また存在意義を見出して行きます。
傷付けるしか出来ないと思っていた拳が、守る為の掌と成る。
主人公の成長が手に取るように見え、力強さを感じます。
また人生の大先輩である祖父母の存在が印象的でした。
その祖父母やナギと触れ合ううちに、混沌とした世界に己の道を見つけた政隆。
人は一人では生きていけない。
でもそれを受け入れる事は
決して恥ずかしい事でも
情けない事でも無く
自分の出来る事を
精一杯やればいい。
それに精一杯になればいい。
勇気をくれる物語の中に、ピュアで実直な主人公の性格が微笑ましく、ついほろっと笑顔になります。
月並みな言葉で恐縮ですが、
愛と勇気を教えてくれる。
作者様が紡ぐ美しい文章が
大切な事に気付かせてくれる。
そんな物語です。