中ぴ連会長
古代ローマ!
神君カエサルの血を継ぐユリウス・クラウディウス朝最後の皇帝、ネロ。
西洋では「暴君」の代表的な人物だが、その初期の治世は家庭教師の哲学者・セネカの補佐よろしきを得て善政と讃えられた。また史書から垣間見える彼のパーソナリティーには、どことなく憎めないものも個人的には感じられる。
またネロを語る上で、その母で強烈な個性を持つアグリッピナの存在は欠かせない。本作でも十二分な存在感を発揮して、自立しようとあがくネロの前に立ちはだかる。
本作では皇帝就任後のネロの太く短い人生を彼の一人称という形式で、歴史に明るくない人にも読みやすいように書かれている。
自らの半身ともいうべき存在をその手で消してしまったネロの運命は一体どうなるのか、続編も目が離せない。