この世の万物は四大元素、つまり火、風、土、水から出来ている。
四大元素を司る精霊の力はあらゆる地上の運命、宇宙に対応し、連結している。
古代から、錬金術達はさように考えてきた。
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水姫心歌はデザイナー志望の甘ロリィタ、高校二年生である。
心歌はある春の日、ひょんなきっかけで皐月みなせと知り合う。
富豪の令嬢で、水彩画家──みなせは、水の精霊ウンディーネを保護する錬金術師、ゴッドレスでもあった。
彼女は、四大精霊の器となるスピリーナとして心歌を必要としていた。
スピリーナ同士が戦う精霊バトルは、世界の均衡を保つのに、不可欠な儀式だという。
人と人とが愛し合い憎しみ合う、個々の個体であるように、火や風、土、水も、結合しきってはいけない。
憎しみをぶつけ合うことで、適度なバランスを保つべきだからだ。
心歌はみなせに、スピリーナとゴッドレスの契約を持ちかけられて……?