通称ケルト通りと呼ばれる某所で、羽澤ゆうりと矢來ひなびは、週末になると休日を共に過ごしていた。
二人は同じ高校で仲良くなった、およそ十年来の親友同士なのだった。
ゆうり達は、ある時、国会議員の逢見律という女性に声をかけられる。
それというのも、この頃、日本では、「芸術保護法」という制度が施行されていた。
「芸術保護法」とは、国会に帰属している議員の統べる各政治組織が、特定の芸術を発掘し、保護する制度だ。
律が総裁を務めている朝陽見会には、保護している芸術がなかった。
そこで律は、日本一の人気を誇る歌劇団『東京乙女歌劇団』が新規チームを一般から募集しているのを偶然見つけた。
そして、自らチーム『陽』と名づけた新規チーム候補をプロデュースして、それを保護し、『東京乙女歌劇団』のそれに挑むことに決めたのだ。
ゆうりとひなびは、律にそのチーム『陽』のセンターに指名されて……?!