まさーき

艶やかに鮮やかに彩られた吉原の華。咲いて散って、また咲き誇る。
吉原に売られた女郎と、医者の倅の、許されない恋。
古典中の古典ですが、これは凄いです。

心情の機微や、言葉のやりとりの妙、そしてなにより遊郭の様子が鮮やかに描かれていて、読むうちにどんどんのめりこみます。

切なさ溢れる本編の、最後の一文を読んだ時、たしかな満足感に浸れます。

後半は番外編。
初めは(蛇足だな)と斜め読みしていたのですが、婚姻破棄のくだりや、娘にベタ惚れ爺ちゃん達が面白くて、けっきょくはまりました。

切ない本編と、楽しい番外編。一粒で二度おいしい作品です。

オススメです。