闇の女王。それは産まれたときから決まっていたその子の定めだった。そんな女王の下には一つの歪な藁人形があった。そんな歪な二人が織り成す、不思議な物語。




「ねぇ、この世界はとても光に満ち溢れてるんだって。」




暗い闇の中、闇の女王と呼ばれる少女の声がこだまする。




返事など返ってくるはずなどない。



彼女は生まれながらにして、この『世界』の女王で『外の世界』など見たこともないのだから。




「いいなぁ、私も光の中であなたを見てみたいわ。」




それでも彼女がこの『世界』に産み落とされたそのときから、彼女の隣には歪な藁人形が居た。







「きっと、太陽の下で。




ねぇ、アルバート」