目を覚ますと『ごんぎつね』に生まれ変わっていた。でもあの人のためならば。これは、すべてを知りながらも『ごん』として生きていこうと誓った一人の女の子の物語。





『ごん、ごん。』





いいえ、違うわ。





『こっちにおいで、ごん。』





違うのよ。




 

『どうしたんだ、ごん。』





私の名前は『ごん』じゃないの。





『ごん?』





違う。

私の本当の名前は『  』。




だからお願い・・・

そんな愛おしそうに私を『ごん』と呼ばないで。





もう一つの、お話。





でも、あなたは私を『ごん』と呼ぶの。