伊東ミヤコ

この場所で、三回、俺は君に恋をした
三年という月日を経ても、祖父を亡くしてしまった寂しさと悲しみを抱え込んだまま、離せないでいる主人公の桜。

その桜が、ある偶然によって、生前の祖父の自分への深く優しい愛情に再び触れ、再び心からの笑顔になれたとき。

または、ある一匹の傷ついた猫と、おばあさんのめぐり合わせ。

そして、ある女の子と男の子の、かわいらしい、でも、もしかしたら一生を左右するくらい重要かもしれない出会い。

そこには、いつも桜があったんですね。

人と人だけでなく、植物、動物、小さなキーホルダー、そんな世の中にあるもの全てに、素敵なつながりが存在するんだと感じさせられました。

そんな、必然なのか奇跡なのかわからない、桜の木の下で、男の子が思ったこと。


この場所で、三回、

俺は君に恋をした。


鳥肌が立ちました。単なる青春の思い出では、終わらせてほしくないです。どうか、永遠に二人の気持ちが重なっていますように……。