月季花
「桜」が結ぶやさしい笑顔
悲しくて、切なくて、ではなく――あまりにもあったかい作者様の心にふれて、涙が出そうになりました。
素朴でふんわりとした文体。丁寧な構成。作者様の優しいお人柄が、ちょっと疲れてささくれた心を優しく包んでくれる、そんな雰囲気です。
桜の下で流した涙と桜の下でほころぶ笑顔。
それぞれの人物(と猫)を結びつけた「桜の樹」ですが……
桜の妖精、桜ちゃん。
薄いピンク色の花びらと一緒にみんなの心にしあわせを運んだのは、その花と同じ名前を持つ女の子だったんですね。
――「桜の笑顔が咲くのが好きでした」――
読み終えて、ふと感じたこと。
「貴方の微笑み」という桜の花言葉。その花を名に冠した桜ちゃんは、みんなに笑顔を運んでくれる天使だったのかな……なんて。
思わずそんな空想をしてしまう、やさしい気持ちが心に染み渡る素敵な物語でした♪