アトム

好きだと言わないことが、証。
明日、涼一との結婚式を控える暁には、忘れられない思いがあった。それは友人・悟への恋心。


◆◇◆


涼一はどうしようもなく嫌なところも許せて認めていける、もう家族のような存在。

悟のことは確実に好きだと言えるけど、彼の本心が分からない危うい関係。


悟に暁を拐ってほしい気持ちもありましたが、実際現実はそうもいかないよなと凄く頷いていました。

相手に自分と同じ、それ以上の気持ちがあるかどうかも分からない。二人が結ばれる保証なんてどこにもなくて、でも傷付けてしまう人だけは確実にいる。

人間だから狡い部分があって当然です*大人ゆえの葛藤。
逃げたり傷付けたりするのは簡単ですから。


悟のためにも暁と涼一には幸せになって欲しいし、いつか暁のためにも悟も幸せになったんだと見せつけて欲しい。


【「好き」と言わないことが、あなたを好きな証になればいい】という文がとても印象に残りました。


複雑な心境を嫌悪感なく読めたのは作者様の文章力が素晴らしいからです!
心揺さぶる素敵な作品をありがとうございました*