理香
沖縄戦
民間人を巻き込んだ稀に見る激戦地だった沖縄。
本土を守る盾として、地形が変わるほどの弾薬を浴び
戦中、戦後を通して民間人の犠牲者数も計り知れない。
本土のわたし達は、この犠牲は絶対忘れてはならないと思う。
この作品の中でも殺された赤ん坊や、自決をした人々も戦争の犠牲者として、書かれている。
赤ん坊殺しであり、一見加害者である「帝国軍人」の次郎も、
母親を日本兵に間違えて誤射して殺した米兵すら、
戦争によって「人殺し」にさせられた被害者の一形態のようにも感じられた。
極限状態の中で、幸のように希望を持とうとすることは
どんなに勇気のいることだったろう。
婚約者が赤ん坊を殺害するのを見て、がっかりした様子に胸が詰まった。
筆者のあとがきを読んで、わたしもまた勉強したいと自分を猛省した。
この作品を多くの方に読んでもらい、沖縄戦の史実を知って欲しいと熱望している。
理香