秋
難解な設定を生かす技術力
華月さんの物語を読むのはこれでいくつ目だろう。
古い作品から順を追って読んでいるが、どんどんレベルが上がっているのがわかる。
難解な設定、アイディアを徐々に生かす術を身につけていっているように思う。
引き込まれ方が、前と比べ格段に上がったから、それは確か。
作品そのものについて。
1ページ目で若干引っかかるが、2ページ目以降はどんどん読めてしまう。
設定がとにかく面白い。よくこんな話を思いつくものだと感心。
ただ、1ページ目での引っ掛かりがやはりちょっと気になる。世界観の設定から書き出す、というのはもしかしたらテンポを崩すことになるのかもしれないなぁと我が身も振り返った上で思う。
だが、いくつもの設定を丁寧に描写しつつ消化していく過程は素晴らしかった。
読めばすぐに引き込まれるだろう。そして次のページをめくっているだろう。
もはやオカルトの領域にまで踏み込んだ医療が生み出すもの。そこで生まれる新たな悩みや葛藤と言ったものに、読み始めたらすぐに引き込まれるはずだ。