自分を忍として見ない凜に苛立ちを覚えながらも惹かれていく恭介。自分の初めての気持ちに揺れながら成長していく恋物語です。



俺は忍。

主の為に命をかける道具。

それ故に感情も表情も何もいらない。

ただ無となって任務を遂行すれば良い。

何もいらない、必要としない。

そう、子供のころから教えられてきた。


なのに、何故お前は今まで俺が築き上げてきたものを一瞬で壊す?


お前に触れるとなんとも言えない感情に胸が痛くなって


お前の笑顔を見ると胸があったかくなる。



どんどん触れたいと、今まで味わったことのない感覚に犯されてしまうんだ。




「花って不思議だと思わない??誰もいないところでもちゃんと咲いているんだから。誰も見ないし水をくれる訳でもない。枯れたって可笑しくないのにちゃんと凛々しく咲いてるの。私、そんな強い人間になりたいな」




あぁ、君はもう強い人間になったよ。




その代わり、俺は…。



弱体化していくばかりだ…。