「…何で私が男子校に入学なんてするはめに…」
「まあまあ、そんな悲観的にならないでくださいよ、先輩。僕が色々愉しいことして、『毎日この学校に来たい』って言わせてあげますから。」
「…!手、手にキスなんてしないでよ!この小悪魔!!」
「可愛い顔が僕の武器なんです。」
「確信犯め…!!」
―…可愛い外見とは裏腹に、腹黒な小悪魔な生徒会会計。
「あんまりこいつに近付くな!こいつにお前の匂いが移ったらどうするんだ。俺は、こいつのこのほんわりする花の匂いが好きなんだ。」
「た、助けてくれたのは嬉しいけど、あんまり首元に鼻近付けないで…。く、くすぐった…」
「だって、ここが一番いい匂いがするんだもん。」
「くっ…、純粋すぎて、何も言えない…。」
―…純粋でいつでも真っ直ぐな、爽やかな生徒会書記。
「俺にも匂いを嗅がせてほしいな、いいかな?…うん、女の子らしくて可愛い。けど、あんまりこの匂いを撒き散らしてると、こわーい男に食べられちゃうよ?」
「許可を取る前に嗅がないでよ!っていうか、こわーい男って、私的にはあんたが一番怖い!」
「君の一番なんて嬉しいなあ。」
「い、嫌味のはずだったのに…。」
―…フェロモン丸出しの女たらしな生徒会副会長。
「は、破廉恥です!皆さん、即刻離れてください。彼女に無許可でそんなにベタベタと…。」
「うわーん、やっとまともな人が出てきてくれたー!助けてくれてありがとう。」
「いえ…って、うわあ、眼鏡が…!」
「あ…っ」
「…お前から抱きついたってことは、この後俺に何をされてもいいってことだよな?」
「ど、どういうこと?!違うし!め、眼鏡をかけて正気に戻ってください、先輩!」
―…普段は照れ屋なのに、眼鏡を外すと野獣な生徒会長。
「おい…。目の前でいちゃついてんな…、目障り。」
「な、何それ。失礼だなぁ…。それに、私いちゃついてなんて!…そりゃ、ドキッとすることはあったけど…。」
「…お前は俺のだろ?だから、俺にだけドキドキしてろ。」
「!!~っ、わ、私は誰のものでもない!!」
―…口数が少ない、クールな生徒会総務。
「この人達の相手が嫌になったらいつでもこっちに来てくれていいんだよ?」
「み、耳元で話さないでよ!!」
「あはは、ごめんごめん。」
「もう…、最初は普通にいい人だと思ってたのに。」
「イメージ通りじゃなくてごめんね。」
「ウインクしながら言う台詞じゃないでしょ、それ…。」
―…表は優しい平凡な同級生。
「僕達のほうがあなたを大切に愛でてあげられるのに…ま、いつか必ず僕達のものにしてみせます。」
「な、何か言い方が怖いんですけど…」
「あなたの美しさを永遠にしたいんです。」
「怖いっ!!」
―…本気になるとヤンデレを発動する紳士な先輩。
「僕、君みたいに可愛い子と仲良くしたいなっ」
「普通の女の子よりも女子力高いですもんね。男装してる私なんか敵いませんよ…」
「でも、もっとおしゃれしたら可愛くなると思うな。」
「て、手に持ってる化粧道具は何ですか…っ」
―…女子より可愛い学園のアイドルの先輩。
「先輩達みたいなのにこいつはやれねぇ。」
「犬みたいに襟掴んで持ち上げないでよ。それに重いでしょ、離して離して。」
「?重くねえけど?むしろ軽すぎ、羽みたいだぞ。」
「は、羽って…何言ってんの?!!」
「え?お、思ったこと言っただけだ。」
―…誰よりも喧嘩っぱやい不良で天然な後輩。
「…皆、この子、困ってる………。」
「た、助けてくれてありがとう。」
「うん……、君を笑わせられて…僕も、嬉しいから……おあいこ、だね…。」
「ああ…、癒し……っっ」
「ふふ…あったかい。」
―…静かで、おっとりしてる穏やかすぎる後輩。
さあ、誰を選ぶ―…?