だって彼は理不尽なのだ。
雪のように舞う紙達に、汚れたらやだなぁなんて、現実逃避しかできなかった。
ぶわさぁ、と投げられたプリントが床に着地するのと同じように、心が沈んでいく。私は今、付き合っている彼に怒られているところだ。
理不尽の極みのような彼が何故怒っているのかわからないが、形だけは謝ってみる自分もクズだなと心の中で自分を責める。けれどやはり自分がかわいいのか、一切罪悪感がわかない。だって彼は理不尽なのだ。