中学3年~冬③~
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あの事件の後、田中のお金収集はめっきり終わった。
麻樹はあれから、俺を避けるようになった。声をかければ返事をくれるが、朝も別々に。帰りも別々に。
俺が余計なことしたからか?あんなふうに事を大きくしたからか?
ある日の朝、6時から麻樹の家の前で麻樹を待った。2月の朝方はまだまだ寒くて、どうしようもない。手も麻痺してきたし…。
ガチャ………
「麻樹!!」
「優ちゃん…どーして…」
「最近何で俺のこと避けるんだよ。」
「避けてなんか…」
「十分避けてるよ。俺、なんかしたか?したなら謝るよ」
「優ちゃ……違うよ……」
「何が…?」
「………」
「麻樹?」
バタッッ!!
麻樹は倒れた。地面にぶつかる前に支えられたから良かった。麻樹の白い額をさわると熱かった。
「麻樹!!」