溢れる 想いは
微笑み 讃える…
追い掛けた 願いは
風の中へ…
―少女は、歌う。
なぜなら、歌うことが好きだから。
聞いてくれる人がいるから。
彼女の歌を聴いて、喜ぶ人がいる…
『力になる』と笑ってくれる。
だから…少女は。
――――
――
―
パリーーンッ!
どこかのビルの一室…
ガラスが割れる音。
怒涛のように、始まる銃撃。
街は、逃げる人波で混雑する。
さっきまで穏やかな街並みが広がっていた、場所。
気味の悪い男の笑い声。
何が可笑しいのか、
男は、銃を手に逃げる人をまるで…
射撃ゲームを楽しむように。
引き金を引きまくっていた。
『絶対的な平和はない。』
昔、誰かが言っていた。
じゃあ…今が正に、そうなのかもしれない。
気付いたら、少女は駆けていた…
人波とは、真逆の方向に…。