豆鉄砲ハトヲ

毒味みなぎるスイーツの特異点
カテゴリとしては恋愛モノ。ただし、いわゆるスイーツとはまるで立ち位置が異なる。甘い感情は薫っているが、主人公は客観的な視点も並行させており、それはどこまでも軽快だ。文体は不必要に湿っぽくならず、頁はするすると進む。

またこの作者の筆の個性は今作にも顕著で、比喩の妙はかなり味わい深い。『森の妖精さん』の辺りなぞ抱腹絶倒である。主題の意味が判明するのがラスト数行など、構成も巧みだ。

執事とか先生とか暴走族とかに、もう大概で食傷気味な貴女へ、熾烈とお薦めします。