硬派な少年・鷹士が広い野原で見たのは美しい桜「お母さん」と、純粋な少女・若美だった。純文学的な小説です。



   15年間硬派で生きてきた少年、鷹士。



   桜の木を母とする純粋な少女、若美。






 二人が最初に出会った頃は、綺麗に桜が咲く頃だった。桜の上から、彼女は笑った。





    「あんな、キスしていい?」




 

 彼女の純真に触れ、次第に心を染めゆく鷹士。彼女への想いを自覚した時、思いもかけない事が彼女の運命を変えてしまう。







 「頼む……頼むから泣いてくれ、若美っ!」