しき

イブ=友だち
イブの日、1人で過ごすはずだった5人の女の子たちが、不思議な縁で一緒に過ごすまでを描いたオムニバス形式のお話。
短編で、主人公が5人。誰が誰か混乱してしまうのでは? と思いきや、5人のキャラクターがかぶることなく、どれも個性的で、しかもこういう子いるなーと思えるリアルな描写。
女の子それぞれを自分の中で容易に思い描くことができました。その描写力にまずは脱帽です。

そして、イブ=恋人じゃなくて、イブ=友だちという視点も新鮮でした。
こういう日だからこそ、5人は出会い、お互い通じ合えるものがあったのかもしれません。
友だちっていつもそばにいるひと。一緒にいるひとが友だちってわけじゃない。ってことを改めて認識させられました。いろんな距離感でつながっていていいんだなって。友だちって距離感ではなく、いい影響をお互いに与えられる存在なのかもしれません。
この5人の女の子たちはもう2度と会うことはなかったとしても、それぞれがこの出会いを大切に、何かをお互いに与え、貰ったことは今後の人生に活かされていくと思うし、お互いをずっと友だちと思っていくんじゃないかなと思います。