星影 とと
海とトルコ石
深い深い海の底にある世界。そこに住む人魚トーコとリュースケ。二人の「水時計」の秘密にまつわる冒険譚!!
まず、題名と、世界観に惹かれました。海の底に街があったり、お城があったり、クリスタルでできた時計があったり。トーコの家は貝殻で、呼び鈴の先にはヒトデがくっついていたり。その色鮮やかな光景を想像すると、心がうきうきしてきます。
そして、物語の随所に散りばめられる誕生石。海の世界と誕生石を、ひとつのお話の中で共存させると、こんなに神秘的な雰囲気を出すことができるのですね。
ストーリーも、「昔話」と「人魚姫」のお話を効果的に使ってあり、またテンポのよい展開で読み手を飽きさせません。
ひとつだけ欲を言えば、仲間を集めるエピソードがとてもさらっと書かれていたので、そこにもうちょっとボリュームが欲しかったです。とても面白いお話なので、もっと読んでいたいなと思いました。
どきどきハラハラ、わくわくしたい、ファンタジー好きさんは、是非。