水時計

星影 とと

2010年11月12日

海とトルコ石 深い深い海の底にある世界。そこに住む人魚トーコとリュースケ。二人の「水時計」の秘密にまつわる冒険譚！！ 　まず、題名と、世界観に惹かれました。海の底に街があったり、お城があったり、クリスタルでできた時計があったり。トーコの家は貝殻で、呼び鈴の先にはヒトデがくっついていたり。その色鮮やかな光景を想像すると、心がうきうきしてきます。 　そして、物語の随所に散りばめられる誕生石。海の世界と誕生石を、ひとつのお話の中で共存させると、こんなに神秘的な雰囲気を出すことができるのですね。 　ストーリーも、「昔話」と「人魚姫」のお話を効果的に使ってあり、またテンポのよい展開で読み手を飽きさせません。 　ひとつだけ欲を言えば、仲間を集めるエピソードがとてもさらっと書かれていたので、そこにもうちょっとボリュームが欲しかったです。とても面白いお話なので、もっと読んでいたいなと思いました。 　どきどきハラハラ、わくわくしたい、ファンタジー好きさんは、是非。

童話×冒険ファンタジー!! この作品の雰囲気、本当に大好きです！ アップされてから、何回も読み返していました。 リトル・マーメイドと、ポセイドン・アドベンチャーを足したような、今まで味わったことのないファンタジー。 ところどころに散りばめられた、童話のような表現が、とても素敵でした。 貝殻の家や、ガーネットの道。 海の底の世界の設定も、とてもよく作り込まれていて、 まだ見たことのない人魚の世界が、色鮮やかに目の前に広がりました。 海の深いブルーと、色とりどりの誕生石のコントラストが美しく、その風景は、一枚の幻想的な絵画のようです。 まだ星を見たことがないというトーコの設定には、「なるほど」と唸ってしまいました。 魔女、水時計、ワーム、そして、12人の戦士。 冒険ファンタジー好きなら誰でもワクワクしてしまうような設定が盛りだくさんのストーリーです。 起承転結が綺麗に仕上がっていて、意外な驚きも盛り込み、締め方が素晴らしいのは、さすがあびぃさん!! まさに、魔術士のような、ストーリーテラー☆ 童話好き、冒険ファンタジー好きな方にオススメです!!