夢際の少年

奥深い世界 「命」に対して考えさせられる作品だと思いました。 どこか懐かしい文体であり、その世界観は読者に、想像の幅を与えてくれるものです。 老若男女関係なく、読んで欲しい作品です。 しっかりと訴えてくる作品です。

優しく色付くダークな世界 序盤から終盤まで、優しく、切なく続く語りべは、昔幼い頃に読んだ昔話や、小学校の図書館で読み耽った物語たちを思い返させる。 　 話は夢際で揺れ動く少年・ケンタの話。 おかあさんの胎内を蝕む闇色の悪魔に立ち向かうという、何処かメルヘンで、且つダークな世界観が感じ取れる。 あとがきを除いてたった１５頁の短篇作品で、読者に対して、「生」や「死」、「愛」を直接的に投げかけてくることに読後に考えさせられる。 　 　 自分のおかあさんが悪魔に殺られそうになった時―――、あなたは助けるかい？私は命を捨て去る事になろうとも、迷わず助けるよ。

奥深き ちょっと切ない命の話… と、僕は解釈しました。 短く纏められたなかにも、奥深き独特の世界観が漂う作品だと思います。 とても読みやすいうえに、とても読み応えがあります。 読んで『感じる』作品です。