栗栖ひよ子
この想いを笛の音に乗せて……
織田信長が好んだ舞「敦盛」や、「敦盛草」など、楽を愛した心優しき武将として、今なお今世に名を残す、平敦盛。
私も史実に触れ、平敦盛に興味を持った一人なので、とても興味深く読ませていただきました。
この作品は、敦盛が、結婚相手の透子姫と、不器用ながらにも愛情を育んでいく、時代を越えたラブストーリーです。
歴史ものだからと言って堅苦しさはなく、作者様は分かりやすい言葉で、みずみずしい想いを綴ってくださっています。
その愛は、現代よりもピュアで、穏やかで……。
まだ若い夫婦でありながら、相手を気遣い、思いやる二人の姿は、頑なになった私たちの心を澄みきらせてくれるようです。
敦盛も、透子も、兄の経正も、それぞれ人間味があって、愛すべき人たちで……。
歴史上の人物だからと言って、遠い存在ではなく、とても身近に感じることができました。
作者様は、歴史が好きで詳しい様子。
そのような秀でた知識、個性は、作者様の強みになると思います!
更新&完結を楽しみに、応援しています。