作品コメント
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- 繭結理央
傀儡
風情があるので、ロリータ調の好きな子はゾクゾクしつつ読めるかも知れない。が、最後まで“あたち”の齢がわからず、でもまったくわからないわけでもなく、つまり彼女の口調と伏線との違和感に怯えながら読むことになる。
終いには、彼女が人間である可能性さえも排されてしまうんだからホラーって厄介。ある意味、なんでもアリが適用されるのもホラーの持ち味で、ズルいとも思えたり。
きっと、長篇でもイケそうな物語。でも、これぐらいの長さでも充分か。謎が深まるぐらいで丁度いいのも、ホラーの持ち味。
ホラーの読者は、必ず、この持ち味に翻弄される。すっかり踊らされる。それもまた優秀なカタルシスで、カタルシスが明瞭なぶん、愛好家の目が肥えていたりもする。
この作品は、ホラー愛好家には“易しい”かも知れない。だが、馴染みのない人には申し分のないテキストだし、ポップな風情なので要らぬ警戒心を抱かなくてもいい。
……踊らされると思うけどね。
“あたち”の嬉しそうな顔が浮かぶよう。だって彼女にとっては、読者こそが一番の“傀儡(くぐつ)”なんだもん。 - DAI
構成でみせる恐怖
かわいらしい主人公の「あたち」が、彼女の家と遊びを紹介してくれます。少女らしく、無垢で淡々に。
グロさや、キャッチーなシチュエーションで食いつかせる携帯小説ホラーが多い中で、こういう文章でみせるホラーは大好きです。
好きだからこそ、よくあるオチかな?って思う部分もありましたが、細かな伏線に気付けなかったところもあり、面白かったです。
オススメします - choji
文章でしかできない「映像」ホラー
文章でしかできない「映像」ホラー
って、苦労して考えたタイトルです。
文章は、珍しく(!)映像的(ケータイ小説は映像的なものに「当たる」ことがすくないんで。。。)なんですが、創造の余地の大きさは、文章ならでは、のものがあります。
★5つなんですが、多少は不満のところもあります。
物語に「意外性」がない。はじめてこういう話を読む人には、意外性十分かもしれないですが、ホラー沢山読んでると、ルーティーンが読み取れるので。。。
ただしこれは「ゼイタク」な、注文というものでしょう。
お勧めの作品! - チャル
シチュエーションが恐ろしい
恐い話は山ほどありますが、
本当に恐いシチュエーションは数少ないものです。
人形を集める少女?が屋敷に住みんで
都市伝説を信じないでやってくる若者の話はありがちです。
この物語りで本当に恐ろしいのは、
少女の本当の年齢ではないでしょうか?
実際に死んでしまったのは少女の頃。
そこから今まで実年齢はとらずに長い年月だけは
経験してしまった子、、、
好奇心だけで善悪の判断なく、
相手を死なせても悪いとさえ思わないのが
実は幼い子だったりします。
まさにこの子がそれにあたり
それを実行しています。
無邪気は邪気がないのではなく
邪気がないからこそ恐ろしい。
それを思い出させます。