小さい頃から、普通の人には見えないものが見えていた。
それが私にとっての普通で、
それが当たり前で。
だから怖いなんて思わなかった。
ただひとつ、私が怖かったのは―――
『美希ちゃんと居ると呪われそう』
『きみ、気持ち悪い』
『ごめん、お母さんが遊んじゃダメだって・・・』
私の存在を周りに否定されること。
ただ、それだけが怖かった。
だから私はこの事を誰にも言わなくなった。
言ったら嫌われる。
――私、幽霊が見えるの。