幼い頃、ルチアと母の乗っていた馬車を反貴族派と隣国と手を組んだ兵に襲われる。その時、護衛騎士であったシリルに命を救われたルチアは、シリルに思いを寄せた。しかし、シリルとルチアの歳の差は20もあり、ましてや身分も違う。シリルはルチアを護衛対象として、一線を引いていた。
ある日の晩餐、国王より兄である王太子の結婚が秋に行われることを伝えられる。兄が結婚をすれば、行く行くは王位継承が行われてしまう。そうなれば、城に自分の居場所がなくなることを知っているルチアは、残された時間がもう多くないことを知る。
そんな中、シリルがルチアの元を訪れた。シリルは先ほど、国王より話を聞いたかと言い、二人の会話が噛み合わないことに気付く。思いを告げようとするルチアに、もう約束は守れないというシリル……。
ルチアがずっと願っていたコトは一つだけ。素直になれなくても、どれだけ身分が違っても、歳が離れていようとも、ただずっとシリルの側にありたいと願っていたのに。
涙と共に、ルチアの中での初恋が終わろうとしていた。
失恋の痛手から食事をとることも、動くことも出来なくなったルチアに王は老年の貴族の後妻となることをすすめ、ルチアは快諾。どうせ初恋を忘れられないのなら、後妻となって静かに暮らすことを望んだのだった。
ルチアからの別れの手紙と、後妻になることを知ったシリルは初めて自分の想いに気づく。そしてそのまま城を去り、ルチアを迎えに。
二人は一度違えた約束をもう一度結びなおし、今度こそどんな時も側にいることを誓った。
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