榊一久との婚約解消を決心し、ひとり
ホテルに残った紫月の部屋に謎めいた
メモ用紙が差し込まれていた。そこに
記された一文に一瞬でも癒された紫月
は、そのメモ用紙を持ち帰る。
後日、まだ失恋の傷も癒えぬうちに
父親から縁談の話を聞かされて……。
恋に焦がれて鳴く蝉よりも・外伝的
シリーズ三部作。
第一部・秋元紫月のその後。
※この物語は「恋に焦がれて鳴く蝉よ
りも」の番外編です。このままお読み
いただくことも可能ですが、本編を
読んでいただいた方が、より、楽し
めるかと思います。
※この物語はフィクションです。
作中に登場する人物や団体は実在し
ません。
※ココ・シャネルの名言を引用して
いますが、没後50年経過してるので
著作権の問題はありません。
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《登場人物》
・秋元 紫月(あきもと しづき)
安永財閥のご令嬢。サカキグループの
跡継ぎである榊一久に恋をし、グルー
プの後ろ盾となるべく政略結婚を申し
出る。
・榊 一久(さかき かずひさ)
サカキグループの跡取りであり、
専務。紫月の婚約者となる。
・月城 玲(つきしろ れい)
イギリスに本部を置く多国籍ホテル
グループ、ステイゴールドのCEO。
英国名はRei Oliver Smith.
イギリス人の父と日本人の母を
持つハーフ。