1話
母子家庭で育った佐藤めぐみは昨年、大手製薬メーカー、ファイスタ製薬の採用面接を受け、ある面接官、三ツ田と出会った。三ツ田は不思議な男で、気付けば志望理由のきっかけとなった、不思議な学生証について話していた。最終的に男の話から自身の優先順位に疑問を持ち、内定を辞退した。
そんなある日、後輩、鈴木よりファイスタ製薬の内定辞退者が急増していることを知っためぐみは、鈴木と共に内定辞退した同じ研究室員、南に辞退理由を聞くことに。
南は三ツ田という不思議な面接官の面接を機に、自身の本心に気付き、内定辞退に至ったと言う。
2話
南の面接の話からいっそう三ツ田という面接官へ興味がわいた三人。しかし、実際、三ツ田という面接官はファイスタ製薬に実在せず、困惑する。
別の研究室員で同じく内定辞退した学生に話を聞くことになる。
3話
その夜、めぐみはファイスタ製薬の新入社員が過労により自殺した旨のニュースを目にする。
また、過去に目にした不思議な学生証を思い出す。当時中学生だっためぐみは学生証の主、早瀬恵一の名を調べたことを機に薬学に興味を持ち、母親の母校の薬学部へと進路を決めたのだった。
数日後、南同様、内定辞退した松本から話を聞くと、やはり三ツ田という面接官の面接から自身の本心を確信し、内定辞退に至ったと言う。
4話
結局、それ以上三ツ田という面接官の情報は得られず、ファイスタ製薬の人事部、菅沢に直接話を聞くことにしためぐみ、鈴木、南の三人。
菅沢は今回の社内自殺の一件もあり、三ツ田の面接を機に内定辞退したことへのお礼が寄せられていること、さらに、めぐみが早瀬恵一という過労死した社員に酷似していたことを話す。
5話
電話から1ヵ月近く経過し、めぐみは一人研究室に残り、本当に自身の望む研究を進めていた。三ツ田との面接内容を今一度振り返り、最後の言葉、後悔しない道、つまり、助教を辞退し、自身の研究への道を選択したのだった。
鈴木は、めぐみの母親やめぐみを大切に思う者は皆、めぐみを心から応援すると宣言する。
つまり、例の面接官は早瀬恵一、亡きめぐみの父親であり、彼は学生に入社を留まらせ、自身の過去の境遇から守っていたのだった。
6話
研究に没頭するあまり体調を崩しためぐみの前に、早瀬恵一が現れる。
早瀬はめぐみから研究を進める決意を聞くと喜び、別れを口にする。
めぐみは早瀬に礼を言い、今後も早瀬という父親の存在を忘れず、自身の望む道を進むことを誓う。