しきメール。
それは、都市伝説に語られる怪異。
生きることに疲れた者が、自身のアドレスに四度メールを送る。その儀式により呼び出された死なる姫は、その者を彼岸に連れていく。
そんな怪異に逆らうアヤカシ、それが紫姫=むらさきひめ。
失意の内に怪異に引きずり込まれ命を失った少女、九条真姫は無念を抱えて成仏できず、自らと同じ想いを持つ人間達を護り続けていた。
退魔刀の変化である、紫電。
戦国の時代の死者の想念より生まれたアヤカシ、伊津真天の紫路を連れとして、ヒトを殺す怪異と戦い続ける。
真姫の死後から数年。
彼女を慕っていた妹である沙姫は、抱え続けた哀しみを衝かれ、死の誘いに引き込まれそうになる。
クラスメイトである城阪藤二がどうにか救おうとするものの、怪異を前に、ただの人間は無力であった。
絶望の際に、真姫が舞い降りる。
嘲笑う死の怪異を打ち払う真姫。
今は滅びても、人間が死を望む限り、自分はまた蘇る。
そんな呪いの言葉を前に、これからも戦い続けることを誓う真姫と仲間達。
束の間、姉との再会を果たした沙姫もまた、城阪藤二と共に前を向いて生きていくことを決めるのだった。