「大切になさい。ご両親がくれた最初のプレゼントなのですから」
改名を迷っていたひな壇の芸人が安堵の表情を浮かべると七ヶ扇礼御薙(27)は不敵に微笑む。最強画数を持つ美人姓名判断占師として数多の信者を抱える礼御薙はメディアにも引っ張りダコの時の人。しかし、そんな彼女にはひた隠している本名が。『三玉伸代(みたまのぶよ)』。凶数混じりの平凡な氏名だった。
厚化粧と金の力で強運と幸福を常日頃からアピールしている礼御薙。当然、異性関係も最高のパートナーと結ばれなくてはと最高最強画数の好青年と出会うため男の品定めに日々余念がない。
そんな礼御薙の前についに理想の男、生田淳朗(27)が客として現れる。容姿も地位も人々が羨むものを持っているにも関わらず、謙虚過ぎる生田はどうにも自分に自信が持てないという。礼御薙はこのチャンスを逃してなるものかと親身に相談に乗りながらアプローチ。ついに生田から「結婚を前提に付き合ってください」とプロポーズされる。舞い上がり指輪をはめる礼御薙。が、刹那、禍々しいオーラが身体全体を包み、見た事もない様な不幸に次々と襲われる。
違和感を感じ、生田と結婚後の姓名吉凶を見た礼御薙は愕然とする。『生田伸代(いくたのぶよ)』は最凶最悪画数だったのだ。千載一遇のプロポーズにも関わらず尻込みする礼御薙。だが、礼御薙がまごつく間に、強力な画数を持つライバル女性達が虎視眈々と生田を狙ってくる。礼御薙は結婚に踏み切れないながらも断じて横取りはさせまいと恋愛バトルを展開。姓名判断に準じた作戦で何とかライバルを撃退していく。が、その度に自身の姓名判断の確かさを目の当たりにし、生田との将来に自信を失っていく。
矢先、生田の幼馴染、乾舞唯華(27)が現れる。幼少期から両思いで、一度は結婚まで考えていた舞唯華は、礼御薙が憧れた総格〔人生全体〕最強の女で生田ともお似合いの非の打ち所のない女性だった。凶画と嘘にまみれた自分に価値があるのか。そんな自分が生田といていいのか。積み上げてきた自信が揺らいだ礼御薙は『七ヶ扇礼御薙』を捨て、初めて本名、スッピンで路上占師として夜の街に立つ。しかし、全く当たらず結果は散々。挙句、『七ヶ扇礼御薙』のファンだという酔っ払いに罵られ完全に自信を失う。だが、店を閉じる寸前、1人の男が礼御薙の前に。生田だった。
礼御薙だと気付かず、舞唯華からの告白と煮え切らない礼御薙の間で揺れていると正直に告げる生田。礼御薙は自身の想いを押し殺し、舞唯華と結ばれる事を勧める。全てが終わった− 大雨の中、礼御薙は号泣しながら帰路に着く。だが、マンションの前には舞唯華の元へ駆けつけたはずの生田が。礼御薙は例えツキのない人生だとしても、自分を選んでくれた生田と共に生きていく事を決める。
ラブコメ
- #ラブコメ
- #恋愛バトル
- #占い
- #姓名判断
- #カリスマ
- #最強運勢
- #最凶運勢
- #占い師