地元の学校に通う15歳の少年エマニュエルは、作家の卵として街の期待の星だった。
そんなエマは学校までの道中にある家の窓から、いつも外を見ている少女に心奪われていた。ある日エマが学校からの帰り道で件の家を通りから見上げると、いつもそこに居た少女の姿がない。それがひどく気になって、一目見たくて、顔を出しはしないかと見上げ続けていると、家の中でから一人の老人が飛び出し、ぶつかる。勢いの余り、飛ばされるエマ。その際、新聞社へ売りに行こうとして思って書いた詩を綴った紙の束が通りにぶち撒かれる。それを目にしてエマが物書きと知った老人はエマに仕事を依頼する。
“人形の食事係”
窓から外を眺める少女は文章を栄養とする生きた人形だった。