主人公、伊吹は小柄な女顔の美少年。 級友に「女の子だったら良かったのに」とからかわれることに憤慨しつつも、逞しい快男児を目指している。
伊吹の目標は、自室にある開かずの扉を開けること。
逞しかった亡父も開けられなかった固く重い扉を開けられたら、同級生の島宮雫花に告白しようと決意し、日々、トレーニングをしている。
そんなある日、地震のはずみで扉が開いてしまう。
扉の向こうには自室とまったく同じ部屋が広がっており、伊吹と同じ顔をした少女、岩砕イブがいた。
開かずの扉は次元の出入り口であり、伊吹とイブは並行世界における同一人物だった。
自信家で享楽的に生きているイブに伊吹は、反発と劣等感を覚える。
イブは互いの世界の学校に入れ替わりで行くことを提案する。
反対する伊吹だが、イブはベッドにもぐりこんで“男の急所“を握るという恐怖の策略を用い、伊吹に要求をのませる。
女子の制服を着てイブの世界に行くと、二つの世界は、伊吹とイブの性別以外はほぼ同一であることが分かる。
伊吹の片思いの相手である島宮 雫花(しまみや しずか)は、イブの親友でありそれを利用し、雫花に接近を試みる。
清楚の化身だと思いこんでいた雫花がイブの誘いでBLに染まっていたことを知った伊吹は、雫花にそんな趣味はやめろと言ってしまう。
それにより雫花は傷心。 さらにイブが伊吹の親友地葉 誓雄(ちば ちかお)にちょっかいを賭けて人間関係を壊していたことが分かり伊吹とイブは大喧嘩になる。
男の意地にかけて一人で解決すると奔走する伊吹。 その心意気に感じてイブも責任をとろうと奮闘。
壊れた関係をどうにか修復する。
伊吹の世界で5年前に事故死した父・一騎がイブの世界では健在。
イブの世界で5年前に事故死した母・祈里がイブの世界では健在。
二人はまたも入れ替わり、亡くしてしまった片親と再会。 両親からの愛を感じ人間的に成長する。
二人は並行世界のことを話して、生き残っている父と母を説得し4人で暮らそうとする。
だがそれが伊吹はイブに宿命的な別れをもたらし、同時にふたりの真の関係を明らかにする。
伊吹はイブに再会するため、今度は自分の力で開かずの扉を開けることに挑む。
父を超えたらするはずだった愛の告白。 だがその対象はもはや雫花ではなく、己の半身たる少女に変わっていた……。