この世界には人間と魔法使いが存在する。
かつて魔法使いと月との大戦争後、多くの月のかけらが大地に降り注いだ。それは人格に作用する、極めて強大な力を持つものであった。
月のかけらを国同士で取り合う不毛な争いのなか、片っ端からその月の石かけらを集めていった2人の魔法使いがいた。「かけらを持っていると魔法使いに襲われる」と噂が立ち、その噂通りに、かけらを持つ者のもとへ神出鬼没に現れた。ときには交渉で、ときには武力で。
北国の村に月のかけらがあると噂を聞きつけて2人は駆けつけるが、いたのは1人の少女であった。その少女は村人に囮にされ、たった独りで戦わされていた。2人は自分たちの生い立ちと少女を重ね、仲間になろうと誘う。
少女は戦闘魔法しか知らなかった。たくさんの魔法を教わりながら、少女は今まで知らなかった優しさを知っていく。3人は次々に月のかけらを手に入れていく。
しかし、何度止めても彼女は自己犠牲に目的を果たそうとするのを辞められなかった。
たくさんの月のかけらが集まったある日、2人は少女にある提案をする。
全てを捨ててでも、少女が幸せになって欲しいと願う2人と、少女の新しい日々が始まる。