主人公の陽太はトランスジェンダーの小学五年生。
幼なじみで同じ年の春香とは親友だが、彼女も同じ悩みを抱えていた。
ある日、二人は偶然、同じ山の夢を見た。
二人は夢で見た山を探しに出かけ、発見する。
夢を見せたのは、その山の神社の祭神で双子の蓮の神様だった。
神社で雨宿りした二人は秘密を打ち明け合い、同じ悩みを抱えて苦しんでいるのを知り絆を深める。
陽太と春香は、魂を取り替えっこすれば、互いの体を交換できると考えた。そこで二人は祭壇にある双子の蓮の種を食べる儀式、盞結(うきゆひ)を思いつき実行する。
前世にトリップした二人は、何千年もの大昔、仲の良い双子の姉弟として生きていたが、戦争の犠牲となり、蓮の池に生き埋めにされた。その時、姉弟は生まれ変わっても双子になって再会したいと双子の蓮の神に願った。神は願いを叶えると約束したが、征服者は怨霊を怖れ池に呪いをかけて封じ込めた。意識が戻った二人は全てを悟った。だが呪いの仕業か、春香は東京に引っ越し連絡が途絶えた。陽太は酷く落胆した。
陽太は六年生になった。
新しい友達もできると、春香のことは思いでの一部になっていたのだが、ある日、白血病で春香が死んだことを知り、陽太は失意で入院。生死を彷徨う。
ところが、夢に春香が現れ、三途の川から追い返される。
意識を取り戻した陽太は、春香の魂が山に帰っていると思い、退院して山に行った。
陽太が双子の蓮のところへボートで行こうとすると、大人達に襲われボートは転覆、陽太は池に投げ出されてしまう。
生死の境で再び春香と再会した陽太は、魂を取り替えっこして双子の姉弟として生まれ変わりたいと、双子の神に願う。神は約束を守り、陽太を少女に、春香を少年にして双子の蓮の花から双子の姉弟として二人を生き返らせた。