貧乏旅館の若女将の千里《ちさと》は、経営不振による借金で危機に陥っていた。
恋人だった瑞樹はライバル旅館の娘に奪われ、絶望の淵にいた時に黒羽《くろば》グループの御曹司、大翔《はると》に出会う。大翔のおかげで借金はなくなったが、お客はこず旅館の経営は火の車。
悩んでいた時に、最近泊りにやってくるお客に尻尾が生えていたり、河童のように見えたりと様子がおかしいことに気付く。彼らは大翔を慕ってやってきた部下達だ。
千里は気のせいだろうと思っていたが、ある日、露天風呂で大翔の背中に黒い翼が生えているのを見て、彼らが妖怪だと悟る。大翔は千里が昔助けた子カラスで、妖怪の王である鴉天狗の長だった。
大翔にプロポーズされたが、まだ彼のことをよく知らなかった千里は「考えさせてほしい」と答える。
そんな時、旅館の食材が荒らされる事件が起こって──!?