第2回 魔法のiらんど 恋愛創作コンテスト|結果発表

「第2回恋愛創作コンテスト」に
たくさんのご応募
ありがとうございました。
下記のとおり受賞作品を決定しました。

選考に関するお問い合わせには
一切応じられませんので、ご了承ください。

主な選考レーベル


  • 角川文庫
  • 角川ビーンズ文庫
  • 角川つばさ文庫
  • カドカワ読書タイム
  • 富士見L文庫
  • eロマンスロイヤル
  • 魔法のiらんど

部門賞

賞金:10万円
KADOKAWAより書籍化検討

シンデレラストーリー部門


選評

駆け出しのケーキデザイナー・晶は、結婚式場を経営するワケアリ社長・慧の提案でビジネス結婚をすることとなる。自分の目標のために一時的に手を組んだ二人だけど、お互いを知るうちにビジネス以上の感情を抱くようになって――。
まずは題材の選び方とキャラクターの作り方に、抜群のセンスを感じました。経営不振の結婚式場、家族に縁がなかったケーキデザイナー、俺様だけど女性アレルギーの社長……聞いただけで物語が動き出しそうな、見事な設定です。
そして、ラブストーリーであると同時に、ヒロインとヒーローの等身大の成長物語になっている点も高く評価したいです。シンデレラストーリーに至る理由や過程が説得力をもって描かれた、まさに本部門にふさわしい作品です。

富士見L文庫編集部

苦しい程に、切ない恋部門


選評

転校したばかりの千紗は、通学のバスに乗り遅れたところを同じクラスの寛人に拾われる。クラスになじまない千紗を軽音部に引き込んだ寛人。しかし、彼は重い病気を抱えていて――。
今の生活に鬱々としている主人公・千紗と、底抜けに明るい寛人という対比的なキャラクターが魅力的です。素直な文章で描かれる二人の高校生活にいつの間にか目が離せなくなっていました。難しい楽器の演奏シーンもテンポ良く書かれていて飽きさせません。こんな高校生活を送ってみたいと思わせるような青春が詰まっている作品です。

角川文庫日文編集部

学園×溺愛♡部門


選評

まっすぐな性格の主人公・美織と、幼いころから美織だけを愛し続けたスーパーアイドル・俊の二人が織りなす学園恋愛ストーリー。二人のキャラクターの背景となる過去の出来事が起因となり、描かれたお互いへの想いや関係性の進展に説得力がある良い作品でした。特に、美織の胸中が丁寧に描かれていたことで、彼女への没入感と共感を生み出す素晴らしい構造になっています。
俊から寄せられる一途な想いが彼の行動にもしっかりと現れており、序盤から終盤まで一貫してぶつけられる好意に、思わずキュンとしてしまうような言動が盛りだくさんで溺愛というテーマをしっかり盛り込めていた点も高評価です。
世間みんなが憧れる俊のただ一人の特別である、というシチュエーションもこの作品ならではのドラマを生み出す要因になっていました。強いてもう一歩というポイントを挙げるとすれば、俊がトップアイドルであることを活かし、彼のアイドル活動を支えたり、恋愛の難しさとそれを乗り越えるカタルシス等が盛り込まれると、より素晴らしいドラマが生まれるのではないでしょうか。

カドカワ読書タイム編集部

「学園ファンタジー部門」「年の差×溺愛♡部門」の部門賞は、該当作品がございませんでした。

「溺愛カップルの日常」部門
部門賞

賞金:10万円


選評

いい大人の男女がシングルベッドで何事もなく一緒に眠ってしまう「幼なじみ」という特別な関係性の2人。普段は無気力なのに女の子の扱いは異常に上手いヒーローの抜群のカッコよさに、「隠れ溺愛」という設定の良さまで加わって、最初から最後までキュン要素満載のお話でした!
ヒロインの成長過程では、弱っている時にいつもヒーローが必ず一番に気付き、心が軽くなる言葉を掛けているシーンが丁寧に描かれていて、2人の「幼なじみ」の歴史とその絆の強さが伝わってきます。タイトル通り、読者側にもハッピーを与えてくれる素敵な物語でした。

魔法のiらんど編集部


この作品は、あさひなさんが
イラストを描きおろし致します!

一点の曇りも【完】

著:葉山ナナセ

選評

アクセサリーデザイナーの郁は、年上の彼氏、理央の心をいまだ掴めていない。郁のことをとことん甘やかすくせに、仕事が忙しいと音信不通だったり、「好き」とは言ってくれなかったり。一方、理央は本心では郁を溺愛しているが、それをうまく伝えられていない。そんな二人がすれ違いながらも、愛を確かめていく日々を綴った物語。
植物好きで掴みどころがない飄々とした雰囲気のヒーローのキャラクターや、詩的で美しい情景描写にとても惹きつけられました。独自の世界観を作り上げている作品です。

魔法のiらんど編集部


この作品は、you semotoさんが
イラストを描きおろし致します!


選評

大学の先輩・後輩カップルのとってもかわいいショートストーリー。
お付き合いして2カ月経つのに、一度もキスをしていないことを気にしている無垢なヒロインが、友達に背中を押されて先輩の元へ突っ走る…!
真っ直ぐストレートなヒロインの言動がとてもかわいく、短いストーリーの中でキラキラの青春と溺愛が目いっぱい詰まっています。
「我慢してたのに」と溜息をつきながら溢す先輩の突然のイチャイチャモード突入に今後の期待が高まります!

魔法のiらんど編集部


この作品は、くりゅうさんが
イラストを描きおろし致します!

受賞作品の描きおろしイラストは、
後日、魔法のiらんどサイトや
公式X(Twitter)、Instagramで公開致します。

奨励賞

Amazonギフトコード10,000円

苦しい程に、切ない恋部門

その声が枯れるまで、僕は君を映すと決めた

著:六畳のえる

選評

元YouTuberの高校生・北沢有斗と、病気で声を失いつつあるクラスメイト・季南千鈴が織りなす、青春恋愛小説。「ある事件をきっかけに動画制作をやめてしまった男子高校生」と、「声帯の切除が決まっており自分の声を動画に残したいと思っている演劇部のヒロイン」という、新鮮かつ現代らしさもある組み合わせに心惹かれました。学生らしいリアリティのある会話や、自然なのに印象的な言葉の数々が非常に魅力的です。ストーリー進行もテンポよく、抑揚もあり、読者を惹き込む仕掛けや工夫が素晴らしかったです。とっても甘く、だけどあまりに切ない。青春恋愛小説に求めているものが、この物語には詰まっていました。

角川文庫日文編集部

苦しい程に、切ない恋部門

夜が明るいのは月が満ちるせい

著:藍夕

選評

感受性が強い高校生2年生の望。消えてしまいたいと願う彼女が夜の川辺で出会ったのは、ひとなつっこくてよく笑う、同じ歳の朔だった。名前しか知らない彼と話すうち、初めて望は自分の居場所を見つけた気持ちになる。しかし朔にはある秘密があって――。
多感で揺れ動く10代の心が掬い上げられていて、冒頭からぐっと引き込まれました。ころころ変わる友情、大人たちの身勝手さ。永遠に変わらないものを手に入れたい――と切実に願う望の気持ちが、ひしひしと伝わってきます。自分が悩んでいるときに、こういう言葉をかけてもらえたら嬉しいなと心から思える朔の言葉も素敵です。
その一方で、朔はいったい何者なのかが気になり、どんどん読み進めてしまいます。中盤以降、物語がダイナミックに動く中で、伏線が鮮やかに回収されていくのは、ミステリを読んでいるかのようでした。
全編を通じて、月と水のイメージに満ちているのも印象的。きっと読んだ人が忘れられなくなる、ピュアで心震える物語です。

角川文庫日文編集部

苦しい程に、切ない恋部門

汽水域の人魚

著:道具 小路

選評

ひっそりと自分のことを「ゆき」と呼ぶ、女の子の心を持つ少年・慎太郎が出会ったのは、好きな人の骨の欠片を探す人魚ナシャル。彼女の恋の思い出を聞くうちに、「わたし」を諦め「ぼく」として生きようとしていた慎太郎の心に変化が生じていき――。
片思い相手の野球少年・生駒、心の性別を知らず慎太郎に心を寄せる女子・筒井も交え、ひと夏の青春模様が鮮やかな情景として浮かぶほど巧みに描かれています。読後にじんわりと余韻の広がる、素敵な物語でした。
「骨」というアイテムと「恋」の結びつきを深めれば、さらに印象が強くなるかもしれません。
より良い物語になる期待を込め、奨励賞に選出させていただきます。

角川ビーンズ文庫編集部


選評

歳上の余裕ただよう理想のおじ様ヒーローとの甘々なシンデレラストーリーでした。王弟であるヒーローが今まで結婚していなかった理由、ヒロインとの出会いとお互いに惹かれたきっかけも丁寧に描かれていて、読み応えと納得感がありました。ヒロインがオタク女子(しかも、神絵師)であるという所もオリジナリティがあり、推しに対する感情の起伏も読者が共感しやすいポイントだと思います。
王道シンデレラストーリーと、『推し』という流行要素が掛け合わさり、歳の差があるにもかかわらず、徐々に仲を深める二人が可愛らしいです。
溌剌としたヒロインの好感度は高く、対してヒーローは大人な余裕と色気のある、読者をもときめかせることができる魅力的なキャラクターでした。
終盤の、ヒーローの相手として世間に認められるシーンについて、更にブラッシュアップできれば、より読み応えのある作品になると思います。期待を込め、奨励賞に選出させていただきました。

eロマンスロイヤル編集部・角川ビーンズ文庫編集部

学園×溺愛♡部門

クールな幼なじみが本気になったら

著:中小路かほ

選評

モデルとして活躍する幼なじみのヒーロー・律希と地味でおとなしめ主人公・しずくの恋愛模様を描いた本作。ふたりが恋仲になるまでの障害の厳しさに児童向け娯楽小説として若干のハードルの高さを感じつつも、その苦しさの分だけしずくの幸せが大きく感じられるようになっています。
本作の一番の魅力は、理想的なヒーロー像として描かれている律希でしょう。彼はしずくの危機を助けてくれるスパダリ的存在です。モデルという設定を活かした伊達メガネをかけたお忍びデート、雷雨の夜の添い寝など、後半のさまざまなシチュエーションも溺愛と呼ぶに相応しい見事な内容でした。
芽依の見せ方については、調整の余地があるかもしれません。芽依の嫉妬からくる行いをしずくはあっさりと許していますが、ふたりの和解を受け入れられないという感想を抱く読者の存在も想像できました。サブキャラクターも読者に愛されるような作品になると素晴らしいと思います。

カドカワ読書タイム編集部

学園×溺愛♡部門

不良くんと嘘つきちゃん

著:七椛こいし

選評

春菜の高校に、ある日転校生がやってくる。彼は小さいころに引っ越していった、優しくて気遣いのできる、春菜の初恋の幼馴染み・龍介だった。けれど龍介は、格好いいけれどちょっと怖くて目つきの悪い、不良になっていて――そして彼は、春菜の家に一緒に住むことに!?
憧れられるシチュエーションやドキドキする展開が、主人公の春菜視点でテンポよく描かれており、しっかりと感情移入しながら読めました。春菜が親友に隠し事をしている点も、ただ溺愛されるだけではない、キャラのアクセントになっています。龍介の不良(っぽい)設定をさらに活かし、彼の特徴や魅力がもっと際立つと、より魅力的な溺愛恋愛ものになるのでは、思いました。

カドカワ読書タイム編集部

学園×溺愛♡部門

わたしの婚約者は学園の王子さま!

著:久里

選評

「学校で人気者な彼が実は幼馴染で婚約者」という親しみやすいあらすじの本作。一途な奏多とまんざらでもない莉子の甘い雰囲気を中心に描くかと思いきや、莉子のトラウマから始まる「果たして自分は奏多にふさわしいのか」という葛藤も丁寧に描いており、二人の恋の結末が気になる展開でした。クラスメイトも魅力的で、モデルで転校生の姫乃や陸上部のエースの結城は物語を進める重要なピースとなっていますし、奏多親衛隊の由美はくすっと笑える場面を提供してくれていました。
そんな本作、奏多の溺愛の描写や「秘密の」婚約者としてドキドキを感じさせるイベントが増えると、設定を活かした「溺愛恋愛」としてより魅力が増すように思いました。

カドカワ読書タイム編集部

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