応募締切 2023年1月12日(木)
『一途すぎる愛』をテーマに、
ソーニャ文庫とコラボした短編小説コンテスト。
たくさんのご応募をいただき、
誠にありがとうございました。
いよいよ結果発表です!
結果発表
ソーニャ文庫編集部からの総評
大賞
該当作品なし
編集部賞
(2作品)
まず最初にタイトルに惹かれました。『欠点や弱点があるからこそ魅力的で愛おしく見えるヒーロー』が物語を引っ張りまわすことが期待できるタイトル。
ヒーローである緒方佳樹は、ヒロイン篠原美織の後輩。パワハラのせいでメンタルが弱まっていたけれど、実際の能力はハイスペックでイケメン。家柄もハイクラス。有能なヒロインに救い出されて才能を発揮し、大型犬のような無邪気さで慕い崇める様子は微笑ましく、わくわくしながら読みました。ヒーロー・ヒロインを取り巻くサブキャラクターたちも個性的で生き生きとしているところが素晴らしかったです。
キャラの個性が際立っているからこそ、物語の中で起きた出来事がどのような過程で解決にいたったのかという説明が不足していて、消化不良感が残りました。
パワハラで追い詰められていたヒーローがパワハラ先輩に「ざまぁ」をして「すかっ」とする展開や、恋愛感情で暴走しヒロインに迷惑をかけた女子大生をヒーローが粘着質な仕返しで徹底排除をする展開など、詳しく読ませてもらいたかったです。
本作のタイトル通りに物語は締めくくられていましたが、キャラクターの個性を生かして、「壊れるまでの過程」「壊れたきっかけ」「壊れたあとの関係の変化」という三つの展開を物語の軸にすることで、より面白くなるのではないかと思います。
物語の説明不足の箇所が若干多かったため選外にはなってしまうのですが、魅力的なキャラクター、キャラクターの成長過程がとても魅力的でしたので、「編集者賞」とさせていただきました。
これからの作品作りも応援しています。
(担当:H)
義理堅いあまり、恩人の娘である妻に手を出せない騎士団長と業を煮やした幼妻、という関係性の二人を、視点が交互に変わる構成をうまく用いながらテンポよく表現されていて、とても面白く読ませてもらいました。
キャラクターも魅力的で、ご婦人たちのアドバイスを鵜呑みにして即実践してしまう、危なっかしくも可愛らしいヒロインに終始ドキドキヒヤヒヤしましたし、ヒーローもヒロインのことを内心で「天使」と評しているとは想像がつかない真面目な言動で、そのギャップが読んでいて楽しかったです。
一番好きだったエピソードは、お風呂に入っていたヒーローが、シュミーズ姿で入ってきたヒロインに背中を流される場面。必死に彼女の父親の顔を思い浮かべて心頭滅却するヒーローのあまりの不憫さに、同情すら覚えました。その可哀想な感じがすごくソーニャ文庫のヒーローらしくてよかったです。
ただ、もう一声欲しかったのは二人のすれ違いです。
デートのきっかけとしてだけでなく、二人の関係が変化していく要因としてもっと盛り込んで欲しいと感じました。
ワインを飲んだヒロインが「私のことが嫌いなのですか?」と尋ねるシーンなどは特に、ここから更にこじれてもう一展開あってもいいと思います。その中でヒーローの一途すぎるエピソードなどを加えられれば、彼のかっこいい側面も見えてきたかもしれません。
すれ違いをすんなり解決させ、ハッピーエンドを急ぐ気持ちは、キャラクターたちに早く幸せになって欲しいという読者寄りの視点からくるのかなと想像します。お話づくりをする際には、その視点を一度ひっこめて、何ならちょっといじわるな気持ちで取り組むよう心がけてみてください。
この作品は、コンテストテーマにピッタリな残念ヒーローで、とても面白いキャラをえがけてはいるものの、そこに引っ張られるあまり乙女系小説に必要不可欠な「ヒーローのかっこよさ」が置いてけぼりになってしまっている印象でした。そのため選外にはなってしまうのですが、題材や表現手法がすごく好きな作品でしたので「編集者賞」とさせていただきます。
これからの作品作りも応援しています。
(担当:S)
スケジュール
応募受付期間 | 2022年 10月6日(木)12:00 ~ 2023年 1月12日(木)18:00 |
|
---|---|---|
結果発表 | 2023年 6月頃 「魔法のiらんど」上にて発表予定 |
※スケジュールは変更になる可能性があります
求める作品
魔法のiらんどさんとのコラボコンテストもこれで3回目。いつもたくさんのご応募をありがとうございます。
さて、皆さんはソーニャ文庫にどのようなイメージをお持ちでしょうか。
重厚で仄暗い、シリアスでダークな作品を集めたレーベル。
そのように思う方も多いかもしれません。
ですがそれは、ソーニャ文庫の一側面に過ぎません。
- ヒロインが好きすぎてちょっと変な行動に走ってしまうヒーロー、それをうつろな目をして見つめるヒロイン
- 一途な想いが伝わらなくて奇想天外な言動をしてしまうヒーロー、それをかわいそうな目で見つめるヒロイン
あくまで一例ですが、このようなコメディタッチの作品もまたソーニャ文庫なのです。
というわけで今回は、
ヒロインへの愛が一途すぎて、言動が斜め上になってしまう残念なヒーローが登場する、コメディ路線のお話を募集いたします。
皆さんの考える、かつてない無茶苦茶なヒーローを楽しみにお待ちしています!
byソーニャ文庫編集部
募集内容
対象作品
主人公は18歳以上(高校生はNG)であること
「残酷描写」「暴力描写」「性描写」等を含む作品について、表現にあたっては魔法のiらんど投稿ガイドラインを参考に記述ください。また、それらの作品については、ユーザーへの配慮としてセルフレイティング表示を行っていただくことを推奨しております。詳しくは魔法のiらんど投稿ガイドラインをご確認ください。
3万文字~7万文字以下の完結作品であること
- 応募するBOOKは、作品設定から「完結」と「公開」の設定を必ず行ってください。
- 連作短編等小説の形式は不問です。
募集テーマ
必須キーワード
「一途すぎる愛」をテーマに、以下の必須キーワードから1つ以上含んだ内容としてください。
キーワードは1つだけでも、自由に複数組み合わせてもOKです。組み合わせる数に制限はありません。
- 騎士
- 英雄
- ストーカー
- エリート
- 誠実
- 人嫌い
- 世話焼き
- 甘やかし系
- オカン系
- ワンコ系
- 令嬢
- OL
- 呪われ
- 一目惚れ
- 興奮
- 執着
- 契約結婚
- 離婚
ex.
-
「人嫌い」と「契約結婚」を
組み合わせた作品といえば……もしかして、私の妻は天使かな?
三年後離婚するはずが、なぜか溺愛されてます
-
「騎士」と「令嬢」を
組み合わせた作品といえば……「君のその眼差しを俺にくれ!」
呪われ騎士は乙女の視線に射貫かれたい
-
「ワンコ系」と「エリート」を
組み合わせた作品といえば……もう、我慢しなくていい?
契約夫は待てができない
賞典
ソーニャ文庫賞 |
「ソーニャ文庫」からの書籍化を検討 ※該当作品が選出されない場合があります。 |
---|---|
参加賞 |
ソーニャ文庫編集部のオススメ作品1冊 |
応募方法
- 「魔法のiらんど」のBOOK管理画面に、応募作品を登録してください。
- 応募作品の編集ページ(BOOK管理)を開き、「作品設定」を選択します。
- 「作品情報と設定」のタブの後半部分にある「コンテスト」欄から、【ソーニャ文庫×魔法のiらんど「一途すぎる愛」小説コンテスト】を選択します。
- 部門を選択します。
- 全体のあらすじを簡潔にまとめて、「ストーリー全容」欄に記入して公開することで応募完了となります。
応募要項ページから応募作品を選択して応募することも可能です。応募完了の時点で、応募者は本応募要項を契約の内容とすることに同意したものとして取り扱われます。
応募規定
- 本コンテストでは自ら創作したオリジナル作品(一次創作)のみ応募可能です。
- 応募受付期間終了時点までに本文が3万文字以上、7万文字以下であること。なお、シリーズ作品の一部、連作短編等、小説の投稿形式は不問といたします。但し、連作短編の場合には、順番が判るようにナンバリングをしてください。また、作品には「完結」のチェックをつけてください。
- 既に魔法のiらんど上で公開されている作品についても、2022年10月6日(木)12:00以降に、作品編集ページ(BOOK管理)から本コンテストに参加することが可能です。ただし、2020年4月以降に魔法のiらんど上で開催されたコンテストの受賞作品は除きます。
- お一人で、2作品以上の応募も可能です。但し、1作品ごとに独立した形で応募してください。なお、同じ作品を複数回応募することはできません。
- 応募作品の内容は、魔法のiらんど投稿ガイドラインに沿ってください。なお、全年齢対象のもの、日本語で記述されたものに限らせていただきます。
詳しくは応募要項を必ずご確認ください。
ソーニャ文庫・
ソーニャコミックスとは
――歪んだ愛は美しい。
「偏執的な愛」がテーマの、執着系乙女文庫&コミックス!
ヒロインのことが好きすぎて歪んでしまうヒーローや、歪な世界の中での純粋な愛。
ヤンデレ、変態、腹黒、オレ様……一癖あるヒーローたちが、ヒロインを愛し抜きます(彼らなりに)。
ソーニャ文庫は毎月3日頃発売! 電子書籍版は、紙書籍版発売の翌月第一木曜日から随時販売されます!
ソーニャコミックスは毎月最終週金曜日に単話版電子書籍を配信中!
“ソーニャ文庫×魔法のiらんど 「一途すぎる愛」小説コンテスト”にご応募くださりありがとうございました。
魔法のiらんどさんとのコラボコンテストも三回目。
いずれのコンテストでもたくさんの作品に出会えて、とても嬉しく思っております。
今回も編集者として、一読者として楽しく読ませていただきました。
ソーニャ文庫は「重厚で仄暗い、シリアスでダーク」路線の作品だけでなく、「奇想天外・奇天烈なヒーローが一途な愛ゆえに巻き起こすコメディ」路線の作品も多く刊行されています。
三回目となる今回のコンテストでは、「一途すぎる愛」という募集テーマに、十八個の必須キーワードを組み合わせて、「かつてない無茶苦茶なヒーロー」が活躍するコメディ路線のお話を募集いたしました。
募集テーマに果敢にチャレンジしてくださった作品が多かったものの、無難な展開でキャラクターの魅力を生かし切れていない印象があり、それがとても残念でした。
今回のコンテストではソーニャ文庫で書籍化とはなりませんでしたが、「編集者賞」として二作品を選定させていただきました。
書籍化は難しいけれど、編集者が「魅力がある」と思う作品です。
第一回、第二回の総評でも書きましたとおり、ソーニャ文庫は創刊当初から「作家の個性で購入してもらえる作品づくり」を心がけています。乙女系小説は、読者が期待するストーリーやキャラクターが比較的明確なジャンル。その期待を裏切らないよう、ある程度「定型」に沿うことも必要であるがゆえに、作家の個性、作中キャラクターの個性を際立たせることはなかなか難しいことではありますが、逆にチャレンジしがいのあるジャンルであると思っています。
応募してくださった皆さまの今後の執筆に期待しています。