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こども たのし

食べ物の大量殺人

12000食の大量調理が始まった。
もやし96キロ、にんじん111キロ、冷凍ほうれん草47キロ…凄まじい量の食材たちが、教室2クラス分くらいの大きさのところで処理されていく。一日に処理する野菜の量は1000キロが目安。たしかにこの広さで面倒見ながら丁寧に洗えるのは、この量が限界なのだろう。
これらの食材が巧みにバトンを渡されて、食事になっていく。このバトンを正確に繋ぐのは容易ではない。それだけでも大変な仕事だ。
それでもやはり、美味しいとはいえない。
食べられなくはないが、食べていて少し悲しい気分になる。
あの食材たちをこんな風にしてしまったことが悲しい。
案の定半分以上が残食として返ってくる。
涙が出る。食べ物の大量殺人をしている気分だ。
このままだとメンタルがやられてしまう。
仕事だからと割り切って時間内の仕事だけ淡々とすることにしよう。
報われない仕事。作っている方々はどんな気持ちでいるんだろう。
玉ねぎの少し硬くなった外側の葉の話をしていた。2日模前に納品されたむき玉ねぎは外側の葉が固くなっていく。当然のことだ。もう一枚向いてくれと言っていた。それをやってもいたちごっこだと思う。
食べる側も食べる側で、そういう葉っぱもあるということを知っていてほしい。
戦争で言う事の特攻隊をやっている気分だ。負ける戦に大量の人材をつぎ込んでいる。
そもそも、8時から下処理を初めて、自校給食だと4時間かけてやっていることを、配送するから、2時間半でやらなきゃいけない。そういうシステムを選んでいる設置者の責任だ。
責任転嫁といわれようが、こっちは置かれたところで咲くしかない。
食べたものだけでわたしたちの体はできている。メンタルだけには要注意である。

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