作家が作家を殺す時代
某作家がいわゆる「ハリウッド式作法」に文句を言っているのを読んだ。
わしもハリウッド式は好きではない。
現実逃避が大衆小説というのは良いとは思えない。
私は幼稚園児くらいから理不尽が前提の日本昔ばなしやアンデルセンが好きだった。
成長したら大正時代の小説が好きになったし、カミュも好きだ。
でも世間が求めるものは「売れる作品」。
作家も食べていくためにハリウッド式作品を書かなきゃいけない。
いたちごっこなんだよな。
私だって小学生の頃から思い返せば一番影響を受けているのは内田春菊。
(南くんの恋人・原作版)
内田春菊の師匠が筒井康隆で筒井康隆の師匠が江川乱歩なら
私は幼い頃から江戸川乱歩作風が大好きってことだったのか?笑
話が逸れた。
大衆小説はあくまでハッピーエンドが前提だ。
その作風にできる人が求められる。
だから私自身だってたとえ書きたい作風でなかったとしても、
コンテストに投稿する作品はハッピーエンドや希望を灯す終わりにしている。
強気な湊かなえさんを見習いたい。
で、だ。
その作家が「なぜハリウッド逃避式作風が普及したか」を分析した上で
この数百年の社会背景を叩くのなら その作家の声を読みたいとは思う。
(結局 明治維新とキリスト教、サッチャリズムに尽きるんだが)
だが、「ハリウッド式作風の普及」に疑問を説いた冒頭なのに
メインの話題が過去に彼女にセクハラしてきた男性叩き。女性の人権がどーのこーの。
10代で終わっておくテーマを20代にもなって新聞社を使って放っておる。
それは違うだろう、と言いたい。わし。
そりゃセクハラは良くないよ?
でもそれじゃあ論点が違うよね?
彼女の感情論で男性社会を叩くのは違う。
叩くならキリスト教に辿り着かなきゃ。
その上で戦う話に持っていかないと、彼女がただのヒステリッカーーで終了してしまう。
ヒステリックでは伝わらない。
ルサンチマンを作品に昇華するならともかく
「コラム」にするのは、正解なのか?
その作家は「人生は理不尽が前提」という視点に立ててないし、
声を荒げて宇宙の真理に逆らうのは 彼女が叩くハリウッド式人生に他ならない。
「セクハラ」や「誰も庇ってくれなかったこと」に対しての怒りの声があったがーー
彼女は量子力学や潜在意識には辿り着かなかったのだろうか?
ただ怒りを周囲に向けただけで思考を停止したのだろうか?
「セクハラ」は嫌なことだ。
が、その裏がある。
真意であり、彼女の潜在意識が放ったものを彼女が「セクハラ」で片付けるのは違うと思うのだ。
怒りや絶望に陥ったとき、そこに辿り着けるかどうか、だ。
子供の頃に読んでわからなかったフロイトの意味がわかるようになる。
ちなみに彼女が「セクハラ」と受け止めていた言葉だが、
真意が全く届いていなかったように思う。
言葉を放った男性、割と普通のことを言っている。
いや、冷静に見ても成長するためには相当必要な言葉だ。
セクハラでもなんでもない。
人生相談室なんて読んでみたら絶対言われる言葉。
仕事でアドバイスとして放ったのならすんげぇありがたいと思うんだがーー
彼女に辿りかなかったのは、彼女がヒステリックだったから。
感情で他人と会話したあまり己の非を認められず、
自分が否定されたと勘違いした怒りの矛先を「セクハラ」案件にしてしまったからだ。
「セクハラ」にしたのは女性を守るためではない。
彼女が女性であることをコンプレックスにしているからだ。
他人から見れば「女性だから」と女性を見下しているのは彼女自身他ならないのに。
彼女自身がそれに気がつけていない。
「女性」を武器にすれば男性社会で優位に立てると言うのに
アングロサクソン(ハリウッド)洗脳を純粋に信じていた彼女は
授かった言葉の真意に気がつけず、澱として沈んだまま水面の太陽に向かって吼えている。
太陽や水面の魚たちは相手にしないのに。
淀んだ海底から一歩踏み出せるといいね、としか言いようがないだろうな。周囲も。
一番恐ろしいのは彼女がハリウッド式人生を歩んでいることに気づいていないという皮肉。
誰も注意しなかったのか?(だろうな)
彼女の文を載せた新聞社も共犯だろうに。
その作家はまだ若いのに。
共和?共産?男女平等だが狂った左翼の犠牲になっているというのに。
誰も言ってくれないのかな。
表現者、創作者に感情は大切だ。
だが一方で冷静な分析力や高めの俯瞰度、
ある程度の宇宙の真理を発現できるかも必要とされる。
そうでない人間は「ヒステリー」とカテゴライズされ、
必要とされない人間になってしまうんじゃなかろうか?
今回の新聞記事は 私が今後、自分の作品をどうしたいかという良い自問自答の時間になった。
「采配」とはこのようなことだろう。
でもさ?そんなわかんないから!!
梵天様みたいに誰か命令して!
っていつも思ってるぜ。
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