ファン
2

イト

日々を編む

はたち

20になった
生まれてから20年がたった。誕生日を祝ってくれる人は減った。大切な人は増えた気がする。
小学生の頃に途中まで買っていた本の映画化作品を夜更かししてみた。美しかった。5年生の自分はその時好きだった男の子とこんな関係になれたらいいなと思っていた、図書室と中庭あの風景を思っていたことを 思い出した。それから月日はかなりたった。 あの頃、性格は簡単に変わると思っていた。勉強なんて簡単だと思っていた。いつか恋をすると思っていた。世にある全て当たり前だと思っていた。ただただ純粋だった。
中学生になると人は怖いということを知った。ずっと仲良くしていた友人は、違う子と仲良くなった。初めは嫉妬を覚えた。子供だった。次第に仕方ないと思うようになった。友人と喧嘩をした。なぜ怒っているのか教えてくれなかった。友人が彼氏が出来たことを教えてくれなかった。友人は私がクラスの男の子が好きなことを密かに知っていた。笑ってたんだろう。あの頃得た感情全て今の私に生きている。何も間違っていなかったと信じたい。
高校。頑張って入った。上手くいくと思ってた。音楽が好きになった。あの時あの子に誘われていなかったら入るはずもなかった部活に入った。友人は運動部に入る素振りだったが、私は一緒に入らなかった。良かったな自分。音楽が好きになって友達も増えた。本当に気が合う友達が数人できた。これは幸せ。
3年間死ぬほど辛かった。学校に行きたくなかった。3年6月朝起きられなくなった。正確には行きたくなかった。あの頃元に戻してくれたのは完全に母だ。昼からでも行ったらどうだと声をかけてくれた。嫌だったが、母は車で送り迎えをしてくれた。あれがなければ私はどうなっていたのか。母が偉大なことはいつまでも変わらない。 浪人した。周りのみんなは予備校に行くのに、家にいた。恥の多い1年でもあった。極力人にはあいたくなかった。堕落した生活を送った。このままではダメだと本気で思った。でも変われなかった。でも病気は大きく捉えられるようになった。昔と比べて楽になった。
大学入学。大きく舵を切った。母は応援してくれている。沢山お金を払ってもらって今ここにいる。20年何をしたでもないこの人間が、今生きている。前を向いて生きたいと思っている。友達は減った。友達の作り方ももうあまり分からない。インスタは幸せばっかり。そんなことどうでもいいやと少し思えようになった。他人には他人の生活があって、自分には自分の生活。向こうに敷かれたレールはもうほとんど無くなった。元々レールに乗る必要もなかったと20年経てば思うようになった。今、しんどいけど幸せ。だって自分のことだけ考えたらいいんだから。人の人生、人の生活、そんなことはどうだっていい、どうにかなる事に勝手に首を突っ込む必要は無いと思うようになった。テレビに出る同い年はいつまでも私より大人に見えるけれどまあいいや。
眠たくなってきた。さっきベランダに出ると天気は曇りだった。空気はいねの匂いと、どこかふんわりとした花のような香り。毎年こんな感じだったのかなと思う。ああどうか来年の今日もこれからもずっとこの香りに包まれることが出来ますように。20年たって確実に強くなった。よくやった。まだまだ生きなきゃいけないけど、どうか仲良くしよう。

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