愚図

嘘とタイムマシン


身体の骨が鳴る。
固まっているのだと感じる。


何も馬鹿正直に半月もの間触ることまで我慢する必要などなかったことに今日になって気付いて、その程度には許容範囲を超えていたのだ、と思った。
咎められて放り出される夜の道路。
駅に向かって帰って行く会社の人間たちをぼんやり眺めながら車を走らせる。
消退出血と呼ぶにはとうにぬるいような月経に似た血液は、内膜と一緒に私の心まで削り取っていくのかもしれなかった。
君を傷付けるための言葉を使って話す、とるにたらない悲しみ。
これで良かったんでしょう?と聞くと良かったのかもしれないし良くなかったのかもしれないような顔をする。
落ち込むよ、という君の浅はかさ。


ーーーーー

昼間と打って変わって下がった外気温は身体を震わせる程で、私たちは妙に高いラヴホテルで一緒にお風呂に入った。
横になったベッドでゼロ距離を目指して重なり合う。
首元で聞こえる君の呼吸は生温くて、ぐずぐずと距離を詰める。

一週間後、などと話す柔らかな声。




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