愚図

It was.


こんなのは全然全く私ではない、と思うのに、それはどうしてなの、と分からない頭で呼吸する。
愛しているはずのものさえ疎ましくってたまらなくて、ひとりのひとりのひとりぼっちになりたがる。
置いていこうとしていることを咎められて悲しくなる。
君は良く判っている。

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馬鹿みたいに大きな声を出すしか脳がない人間の愚かさだとか浅はかさだとかに苦しいきもちになって、もう一体どうしたら元に戻れるんだろうかと途方に暮れる。
ひとりきりで向かい続けるのは辛いだろうと言われてしまったりなんかして。
私が決めたことに私が泣いたり喚いたりしてなんになるの、と言うクセに、いつだって泣いたり喚いたりしているのだ。大馬鹿野郎だ。

どんなにきみが好きだか当ててごらんと思っているのに、ちっともそんなふうには出来なくて、びょおびょお泣いたあとの重だるくなる頭を抱えている。

あのとき確かに私はこの世界の全てできみを守ろうと思ったのに。


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全くもって状態がわるい。
状態のわるいままの生活は少しも健やかでなくて、ささくれだった夜は眠れないまま朝、だとかを繰り返している。
痛む下腹部とか重たい身体は自由に動くことも出来なくて、腹立たしさは顔に呼吸の浅さに出るのだ。
どうしてこんなに感情的になってしまうのか分からなくて、私は一体どうしてしまったのだろうと考える。
一体なにが起こっているのだろう。
つらつらと打ち込む文字列さえまともに機能せずに、消しては打ち直してやっと空白を埋める。
この手の中にあったはずのものたち。
今はもうない、砂の城のたからもののすべて。


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明るくなるまで目を瞑る。
夜は眠るものだとあのひとが言う。




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