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フルーツロール

フルーツロール🍎です(*´∀`)🌹

名前の由来は、“その時食べたかったから”です。

どうぞよろしくお願い致しますm(__)m

小説は基本、ピカレクスロマン🔫の要素が強く、波瀾万丈な物語。そこから少しずつ、幸せを勝ち取っていくような物語だと思います🔫🍀

よろしかったら、フルーツロールの物語を、楽しんで頂けたらと思いますm(__)m

第十四回ブログで感謝企画💛

皆様いつも、本当にありがとうございます!お読み頂けたりスタンプ頂けたり、とっても嬉しいです😊♪

第十四回ブログで感謝企画💛始まります!

今回は第十三回ブログで感謝企画🌸春のスペシャル版🌠でカットされた小話と、入れ替わり後の雪哉の後日談をお送り致します!ではさっそく!!

第十三回ブログで感謝企画③でカットされた、しょうもない話の始まりです🌷

【場面と状況の説明⭐️】
敵側の男四人組、瑪瑙、灰簾、黒曜、黄玉と入れ替わってしまった主人公側男四人組、陽介、雪哉、聖、純。
入れ替わりの事実を受け入れ、体の持ち主のフリをしながら過ごす陽介たち四人であったが、体の持ち主たちの幼馴染みである柘榴と琥珀に〝何かが可笑しい〟と勘づかれた。
そして〝体は確かに私たちの幼馴染みだけど…中身がまるで別人みたい!この四人は本当に私たちの幼馴染み?!〟と、そう思った柘榴と琥珀は入れ替わり状態の幼馴染みたち(中身は主人公側の四人)に、〝組織のコードネームではなくて、自分の本名言える?〟と、そう問いかけたのだった。
…――もちろん体の持ち主たちの本当の名前など知るわけもなく、『めのりん!!』『レンレン!!』『こく之すけ!!』『おう之じょう!!』『違うわっ!!』…――と、言ったように撃沈であったこの場面。
そして今から載せるのは、この名前当てクイズの際にカットされた、“瑪瑙の本当の名前を当てたがる陽介の話”である🌷

【①正解を連呼しながら間違い続ける人🌱】

陽「〝めのたん〞でもないって?!はい!!ヒント下さい!!〝めぇー〞は付きますか?!」


柘「……付くわよ。〝め〞は付く…」


〝“ヒントくれ”って…もう、中身別人な証拠じゃない…〟と、そう思っている琥珀。


陽「っ?!〝め〞!!やっぱり〝め〞!!…え?!男で“め”のつく名前って、なかなか無くないか?!めめめめめっめぇー!!めぇーい!!め~い!!メ~イ!!」


柘琥「ッ?!…」


陽「ぅわぁ…ダメだ。思いつかねぇ…だいたい“め”のつく名前って、〝メイ〞くらいしかねぇよ…〝メイ〞!!メイ…メイ…メイ…メェー…」


柘琥「………」


【②正解を教えても間違い続ける人🌱】


柘「……“めい”。」


陽「ん?!」


琥「…だから“めい”…」


陽「ッ?!」


柘琥「………」


陽「やっぱりな!!〝メイはつく!!〞」


柘琥「??…――」


陽「〝メイ〞!!メイめいめい、めいすけっ!!めいたろうっ!!」


柘「だから違うって…!」


陽「〝めい之すけ!!〞」


柘琥「………」


――*結局彼は、正解を知らぬまま。

――【⭐️END⭐️】――



【第十三回ブログで感謝企画、後日談🌱⭐️】

これは灰簾との入れ替わりが解けた後の、雪哉の後日談である。

――
――――

他人と入れ替わるだなんて、本当に散々だった。もう二度とあんな……――あんな事には、勿論なりたくないのが…実は体に戻れた今だからこそ、思うことがあるんだ。そう、〝一回入れ替わって、ラッキーだったかもしれねぇ…〟。

――何がそんなにラッキーだったって?今から、その話をしよう…――

―――――
―――


「スゲェ…どうなってるんだ…」


雪哉は自身のスマートフォンを眺めながら、感激していた。

そう、灰簾との入れ替わりが解けた後、スマートフォンが静かになった。昔関わった女たちから、しつこく連絡がくる事がなくなったのだ。

番号を変えたり、あまりにしつこいものは拒否設定をしたりと、勿論そうしていたのだが…――“昔関わった女”という者たちは、大抵が“暴走族現役時代”のつての先にあった関係であったものだから、“共通の顔見知り”が多い。
そしてそうなると、番号を変えても、結局また連絡先がバレたりするものなのだ。そういう事情もあり、結局は“しつこい奴”は懲りずに連絡をしてくる訳であった。

だが一体どういう事だろう?数日灰簾と入れ替わり、体とスマホを預けておいただけで、しつこい女たちからの連絡がなくなった。

スマートフォンに残っているのは入れ替わっていた時期にあった、例の女たちからの着信履歴。そして、通話で“何かを話した”後に女がSNSで送ってきたと思われるメッセージだった。
SNSのメッセージは、どの女からのものも似たような内容だ。その内容を教えてやろう。メッセージはこうだ。【さっきは話してくれてありがとう。今まで連絡、しつこくしてごめん。愛してました。さようなら】…――

そう、どのメッセージにも共通していた内容は〝愛していた事を告げつつ、さようなら〟してくれている事だ。そしてやはり女たちがこのような思考になり、気持ちよく“さようなら”をしてくれたのは〝何かを通話で話してから〟らしいのだ。


「あいつ、スゲェな……円満別れさせ屋??一体、電話で何て話したんだ…今後の為にも、知りてぇ…」


雪哉はスマートフォンのメッセージを確認しながら、そんな事をブツブツと話している。そして雪哉の目の前には師走がいて、目をぱちくりとさせながら雪哉を眺めていた。


師「雪哉、さっきからなに言ってんだ?メッセージがなんだ?」


雪「霜矢、実はな…」


こうして雪哉は師走にも説明をした。〝入り替わりが解けたら、女たちが気持ち良くさようならしてくれているんだ。灰簾ってスゲェ〟と。師走はそんな話を〝なるほど〟と、関心を示すように聞いていた。そして雪哉はと言うと…――


雪「円満別れさせ屋には、これからも世話になるかもしれないな。…――よし、灰簾と友達になろう…!」


師「不正な理由っ…!!」


雪「あ?これ不正なのか?よく分からねぇや。…―だがオレは決めた!灰簾と友達になろう!」


――こうして始まるのが、後日談【白谷は灰簾と友達になりたい】である。


雪「霜矢、手伝ってくれ。お前灰簾役な?」


師「不正な理由な気がするが…任せろ!雪哉の為なら!」


lesson1⭐️シュミレーションから始めよう🌱


雪「あ、なぁ!“友達になろうオーラ”全開で行ったら、キモッて思われると思うか?」


師「ま、まさか雪哉、“友達になろうオーラ”全開で雪哉に接していたオレのことを、昔そう思っていたのか?!」


雪「ッ?!思ってなかったって!当たり前だろうが!ただ“オレと仲良くなりてぇって、変わった奴だな”って思ってた!!」


師「あ、じゃあそれだ!…――じゃ、シュミレーションを始めてくれ!」


雪「…――なぁ灰簾!友達になろうぜ!もう他人とは思えねぇ!それにお前、円満別れさせy…――あ、いや何でもッ……――ただオレは、お前とトモダチになりてー!!」


師「え?!オレと仲良くなりてぇって、変わった奴だな!!…円満別れさせy…――え?!円満別れさせ屋だと?!まさかお前、オレを利用する為に、不正な交友関係を申し出ているんじゃないだろうな?!」


雪「ッ?!…――な訳、ねぇーじゃん?!入れ替わった仲だろう?!〝お前はオレ!!〞固いこと言うなよ!!」


師「〝オレお前じゃねぇし〞。図々しいわ」


雪「はいスミマセンでした~」


師「ゲームオーバーかよ!!」


その後も、シュミレーションの時点でゲームオーバーになりまくる雪哉であった。


step2⭐️恋愛と同じだと思え🌱


師「恋愛と友情って似てるだろう?なんで雪哉は女口説くの得意なのに、友達になる手段がヘタなんだ?」


雪「は?似てるようで違うだろう。…―女の目を見てれば、オレに落ちたかどうかが分かるからな。“男女の駆け引きは空気で決まる”。言葉はたいしていらない」


師「はぁ?よく分からないが……とにかく、人を相手にしてるのは同じだろう!〝友達になる方向に口説けばいい〟んじゃねぇか?!」


〝空気で決まる!!〟〝友達になる方向に口説け!!〟…――シュミレーションSTART⭐️

〝空気でキメル恋愛みたいにやってみよう!!〟

【シュミレーションの設定】
狙ってる女の子と午前中からデートをしていた日の夕暮れ時。
昼間楽しく遊んで、だいぶ打ち解けて、〝あともうひと押し〞。
街を見下ろせるような見晴らしのいい場所で、街の方を眺めながら、二人並んで楽しく会話中。

まず、見つめ合う展開にもっていけ。

何気なく彼女の横顔を眺めながら…――


雪「ん?髪に可愛いのついてる…」


師「え?何?」


髪を指し示しながら『ここら辺』と。『何?』と言いながら、大抵の娘が振り向く。ここで向かい合う形になる。


師『え?!何がついてるの??」


雪『何だかふわふわの…綿毛?いや、鳥の羽
のふわふわの小さいの?…』


point1・嘘でも良いから“髪についている”と言う。(※嘘は良くない。マネしないようにしよう)

point2・“可愛いのがついてる”など、寧ろ女の娘の気分を上げる事をいう。
言ってはいけないもの〝ゴミがついている〟〝虫がついてる〟など。


雪「ふわふわ付けて、可愛い…」


師「へ?止してよもう!!可愛いだなんて…恥ずかしい…!!」(※女の娘役)


『ここ?』と言って、大抵の娘が自分の髪を触って取ろうとする。

女の娘の目を見ながら『取ってあげる?』と、問いかける。

女の娘がこちらに心を開いている or 脈アリなら『取って』と言って頷く事だろう。

※触れられたくなさそうだったら、絶対に触れないこと。

女の娘が『取って』と言ったら、丁寧にそれを取る。

『取れた』と言って、見せる前に指を開いてそれを手離す。(※嘘だから)
そして女の娘に向かってニコッ。


師「ぅわ…嘘だらけだけど距離縮まったわ!」


雪「だろう?…――で?何?これやれば、灰簾と友達になれると思うか?」


師「〝なれる訳ねぇじゃん!!〞」


雪「お前が恋愛と一緒って言ったんだろう!!」


take2⭐️〝さっきのやり取りの男バージョン〟


雪「あ?お前なんか、髪に付いてるぞ?」


師「ん?何が付いてる?」


雪「小せぇ木の葉みたいなやつ。オッシャレ~」


師「は?バカにしてんのか?」


雪「ごめんごめん。冗談。取ってやる?」


師「…別にいいって」(自分で髪をいじって取ろうとする)


雪「取れてねぇ。…―いいから、取ってやるよ」


師「……――」


髪から小さい木の葉を取りながら…――


雪「……。お前さぁ、髪、スゲェ良い色で染まってるな。オッシャレ~」


師「あ?ああ、ありがとう」


雪「…――。オシャレだよな。〝うわ友達になりてぇ~〞……」


〝これ成功しそうじゃね?!〟と、顔を見合せる二人だった。

――そして二人は〝善は急げ〞と雨神日本支部へと向かったのだった。

――*
こうして二人が日本支部へと着く頃には、夜になっていた。


雪「ブログ停戦条約結んでるから、撃たれはしねぇ筈だ。だが、正面から行って入れてくれるとは思えねぇ…」


師「直で灰簾の部屋に押し掛ければいい!」


雪「お前を連れて来て良かった!さすがオレの親友!」


師「雪哉、当たり前だろう!円満別れさせ屋だからって、不正な理由で雪哉に交友を望まれている灰簾なんかとは…――オレは〝格が違ぇんだ!!〞」


雪「あ?え…霜矢?なんか怒t…――」


師「怒ってねぇよ!灰簾なんてきても、雪哉はオレの親友だもん!」


雪「怒ってr…――」


師「怒ってねぇよ!!妬いてんだよ!!」


雪「あ、ソッチ?正直…!!」


そして二人は『お前が一番!!⭐️』『雪哉!!そう言ってくれると信じてたぜ♪』…などと騒ぎながら、直で灰簾の部屋に押し掛けに行くのだった。

――二人は外からハシゴを二つ立て掛けると、お目当ての部屋の窓をノックする。

―コンコン!!


雪「緊張してきたぁ…」


師「あんなにシュミレーションしたじゃないか!大丈夫!」


雪「やっぱキモッって思われるかなぁ…」


師「らしくねぇな!大丈夫!恋愛と同じだと思え!…――“付き合いたいな”って思った娘の連絡先を聞くのがアリなり、“友達になりたいな”って思った奴に話し掛けるのもアリだろう!!」


雪「っ?!アリだな!!大アリだ!!」


そして〝よし!!〟と意気込む。…だが、部屋はシンと静まり返ったままである。
『あれ?』と言いながら、再びノックする…――

―コンコン!!

すると、勢い良く…――と、言うよりはキレてんじゃないか?…というようなすごい勢いで、バッとカーテンが開いた。


雪「灰簾!!」


灰「……――」


だが、再びすごい勢いで、バッとカーテンを閉められた。


雪「性格悪っ…!友達まで連れて、遊びに来てやったのに!」


(注)深夜のアポなし窓から訪問、迷惑行為中🌱

―コンコン!!


雪「開けろって~。ほら、この間まで入れ替わってたから…――お前に言っておかなくてはいけない事が…」(意味深に話して窓を開けさせようとしている)


――すると、意味深発言が効果覿面したらしく、カーテンと窓が開いたのだった。


灰「仕方ねぇな…――何だ?」


すると師走が小声で『恋愛と同じ!大丈夫!!』と。『わ、分かってる!!同じだ!!同じ!!』と、小声で返す雪哉。『ほら、緊張してしまう子どもによく言うだろう?“かぼちゃと思え”って、それと同じ!!』『あ、つまり“女の娘と思え”ばいい!!』…――と、言うことで、やはり何かがズレつつあるのだった。

――すると、雪哉がやたらと良い顔をしながら『…――会いに来ちまった』と。


灰「…は?何でもいいから、さっさと…――」


雪「焦るなって?…――」


“焦るなって?”とか言いながら、謎の流し目で口元を綻ばせてきた雪哉を前に、イラッとしている灰簾であった。
そして師走は小声で『どうだ?!雪哉、落ちたかどうかは目を見りゃ分かるんだろう?!友情は芽生えたか?!』と。『……。スッゲェ睨んでくる…』と雪哉。そして『えっ?!“殴り合った後は友達”ってヤツ?!さっそく友情のお誘い?!やっぱ恋愛と一緒だな!!』と、なる。――と言うことで、〝ここからは睨み合う〞。


灰「お前…ホント何なんだよ…帰れ――」


雪「あ?〝お前が帰れや〞」


すると灰簾が、コクンと頷く。そして、ガッと窓を閉め、カーテンを閉められたのだった。そう、“言われた通りに帰った”。

しまったカーテンと窓を眺めながら、ポカンとしながら固まっていた雪哉と師走であった。


師「…え?何で“帰れ”って言ったんだ?…」


雪「う、売り言葉に買い言葉…殴り合った後は友達な方式なら、まずは口喧嘩かと思った…」


〝撃沈〞である。
二人は数秒、しまった窓を眺めていた。するとその時、ハシゴの下から誰かに声を掛けられる。『何をしている?』と。…――二人がハシゴの下を見下ろす。するとそこには、黄玉と黒曜がいた。

――そして二人は、冷たい目をしながら銃に手をかけた黄玉を“ブログ停戦条約の話”で宥めた後に、黄玉と黒曜に訳を話したのだった。

黄玉はため息をつく。黒曜は目を丸くしている。


雪「だから、〝別れさせ屋スゲェ〞って、アイツの腕を見込んでお願いをしたかったんだ。友達になれたらラッキーって思ったんだよ!」


黒曜は黄玉を見ながら『だって。オウくん、どう思う?』と。するとやはり、黄玉はため息をついた。


黄「灰簾と友達にだと?随分と変わった奴らだな…」


師「灰簾と幼馴染みなんスよね?!なんか……え?灰簾と仲は…――」


黄「……。仲が悪いから灰簾を悪く言う訳ではない。アイツに病的なところがあるのを知っているから、“近寄るな”と忠告してやっているんだ」


黒「あ、オウくんが言う“病的”って言葉は、悪口じゃないからね?」


師「?……あ、はい。それで、何で“近寄らない方がいい”と?」


すると黄玉と黒曜は、困ったように顔を見合せあった。どうやら、幼馴染みだからこそ、“灰簾の良くないところ”というものも分かっているらしい。


黄「アイツはな、恋愛でも友情でも、人の事をなかなか受け入れない。だが、内側に入れた者に対しては…――」


雪師「??…」


黄「……。化け物だ。」


雪師「ん??…」


黄「アイツは、独占欲と支配欲の化け物だぞ?…――」


雪師「っ?!…」


〝何だか怖っ?!〟と、顔を青くしながらゾワゾワとし始める雪哉と師走であった。


雪「あ?恋愛の話?」


黒「……恋愛も友情もかな?確かにレンくんは、自分の心の内側に入れた一握りの好きな人間の事を、“自分のもの”にしたがるような、そういうのがすごいよ」


雪師「灰簾怖ッ…!!」


黄「だが、オレや黒曜にはそれほど被害はない。こちらは囮にしているつもりもないのだが、警戒心0なアホな瑪瑙が、勝手に囮のようになってくれているからだ。アホな瑪瑙は灰簾のかっこうの餌食。――こちらはとても助かっている。瑪瑙がアホで本当に良かった」


何とも言えない気分の雪哉と師走である。そして黒曜は苦笑いしている。

――さておき、〝灰簾に気に入られたりでもしたら、大変なことになるぞ?〟…――と、黄玉は雪哉と師走に忠告をしてくれたわけである。

…〝独占欲と支配欲の化け物とは…?…〟と、雪哉と師走は生唾を呑み込んだ。

黄玉の言い方といい、緊張の走った雪哉と師走の表情といい…――この場にはまるで、解いてはいけないヤバめな何かの封印を解くか解かないか、と言ったような、トレジャーハンター系の映画のワンシーンのような空気が漂っているのだった。
そうもしもこれが映画だったなら雪哉と師走のポジションはまさに、忠告を無視して封印を解き、初っぱな呪いか何かに取り殺される奴らであろう。プロローグで死ぬタイプである。…――そして、プロローグで解かれてしまったヤバめな何かをもう一度封印しよう活躍するのが…――そう、主人公である。
…――つまり、これが映画であったなら、雪哉と師走は〝主人公の活躍の為〟にも、迷信を信じない系な筋書き通りの大馬鹿野郎を演じ、それの封印を解かなくてはいけない訳である。


雪「おい霜矢、どうすればいい?!つまり空気を読んだなら、このまま独占欲と支配欲の化け物に近付く必要があるってことだよな?!」


黄「…いや…お前の思考回路は…なぜそうなった…」


師「オレたち責任重大?!だってプロローグで大馬鹿野郎がそれの封印を解かなかったならっ…」


雪「〝映画は始まんねぇーんだよ!!〞」


黒「ちょっ……どうしたの?キミたち。映画って?…」


師「ぅっ…オレこれからは、封印を解いて初っぱな殺される当て馬役に感謝する…アイツらは命と引き替えに、映画の幕を開けてくれていたんだっ…そんなの、ヒーローじゃねーかよ…!!…」


黄「…コイツなに泣いてんだ?」


黒「……。ヒーローに…――なりに行くつもりかい?あのつまり…うちのレンくんと友達になりたいと??…」


話を理解した黒曜兄さんが、優しく話を合わせてくれるのであった。
雪哉と師走は〝どうする?〟と言ったように顔を見合せている。すると黒曜が…――


黒「これからオウくんが、レンくんの困った話を聞かせてくれるから、友達になりに行くかは、それを聞いてから決めてね?…」


黄「なぜオレに話を振った…?…」


師「はい!!聞かせて下さい!!」


雪「聞かせてくれ!!」


こうして〝聞かせてくれ!!〟と、熱い熱気に呑まれ、話すしかなくなった黄玉であった。黄玉は話し始める。レンの困ったところの話を…―

――ある日黄玉と黒曜が日本支部の庭にいると、手を大きくブンブンと振りながら、瑪瑙が笑顔で駆けてきた。


黒「メェくん、どうしたの?」


瑪「もしもそうなったら、コクとオウも遊びに来いよな!!」


黒黄「??…」


黄「何の話だ?」


瑪「ああ、さっきレンにな、“柘榴と一緒になれなくて、もしもサリナも去ったなら、オレ誰とも結婚しねぇから、そうしたらオレと一緒に暮らさないか?絶対ぇ楽しいぜ?”って、誘われたんだ!」


黒黄「………」


瑪「いろいろレンにプランを聞いたんだ!“BBQやったり、サッカー観に行ったり、釣りに行ったり、サーフィンしたり!スキーに行ったり…――ずっと一緒に遊んでいられる。絶対ぇ楽しいぜ?オレとお前、親友だもんな”って、レンが!…――確かにめちゃくちゃ楽しそうで、何だかもう…オレ、わくわくしてきちゃって!」


黄「約束したのか?」


瑪「あれ?オレ、何て答えたっけな?いや確か…『楽しそう!』って言ったら『決まり』って言われた!」


〝このアホ、丸め込まれたな〟と、そう確信した黄玉。


黒「へー。まぁ、そっか…――柘榴とサリナさんが去ったなら、レンは結婚しないつもりだからか……って、アレ??…」


黄「瑪瑙、お前は?」


瑪「え?何が?」


黄「アホか。お前は?一生独身でいいのか?」


瑪「……。ッ?!」


ハッとして気が付いた瑪瑙だった。〝一生独身?え?!そんなつもりなかったよ?!〟と。

〝これ、レンくん本気そうだよな…〟と、黒曜は苦笑いしている。黄玉はため息をつく…


黄「“決まり”と勝手に言われただけなんだろう?なら〝それは互いに結婚しなかった場合に〟って、その事をしっかりと話してこい」


瑪「そ、そうする…」


こうして瑪瑙は灰簾の元へと引き返す。そして黄玉と黒曜も、こっそりとついて行った。


瑪「レン!さっきの話なんだけどな…お互いに結婚しなかった場合にな?…オレ今のところ、一生独身のつもりはないんだよな……けどもしも今の価値観変わるようなデカイ事があって、“もう一生独身でいいや”ってなった時、レンがいてくれたらすごく嬉しいな…あっもちろん、逆にレンが結婚したくなってたらそれはそれで良いんだけどさっ!」


灰簾に話す瑪瑙を覗き見ながら『アイツは何を伝えに行ったんだ?…』と黄玉は呆れている。〝余計な事まで話して主旨を分かりずらくするな〟と。黒曜は『メェくん優しいからな~…』と。二人は瑪瑙と灰簾を見守り続ける。


灰「そんな事か。当たりだろう。独身でいろとは言わねぇよ」


瑪「だ、だよな!!」


黄玉と黒曜は目を丸くした。〝あれ?灰簾、今回は案外まともか?〟と。だが、そう思っていると…


灰「当たり前だろう?その時は当然、お前が“第一主人”でいいぜ?」


瑪「え??どういう事??」


灰「だってお前が好きになって、お前が結婚相手に選んだ相手だもんな。〝お前が第一主人〟でいいぜ?オレが第二主人」


瑪「あっ!え?!オレとオレのお嫁さんと…――オレのお嫁さんの、第二の夫がレンなの?!三人で結婚しちゃった話をしているの?!」


〝やっぱりアイツ…瑪瑙を手離すつもりねぇぞ…〟と、ゾワゾワとしている黄玉と黒曜。


灰「どんな奴と結婚するんだ?“かき氷にイチゴシロップとブルーハワイ、どっちもぶっかけて紫にしたい”…―みてぇな欲深い女だと助かるぜ。夫を二人持つわけだからな。“紫にされたい”ってな!」


瑪「……オレはぁ…“オレの事だけが好き”っていう、純粋な娘と結婚したいかな~……」


灰「けどよ瑪瑙、考えて見ろよ?琥珀ならまだしも、もしも他の女だったなら…――今から出会う女なんかが、ガキの頃から一緒にいるオレらの仲に入り込める筈がねぇ!」


瑪「お、お嫁さんとレンはまた別でっ…」


灰「入り込める隙なんてねぇってところを見せつけて、さっさと追い出してやる!じゃじゃ馬花嫁め!!」


――こうして、レンの困ったところの話は終わる。


黄「まだ灰簾と友達になりたいか?本気ならば、紹介してやろう」


雪師「辞退させて頂きます!!」


こうして、逃げるように帰った雪哉と師走であった。

【後日談END】

ありがとうございました!🌠ではまた、第十五回と本編でお会い致しましょう!!

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